昭和な時代のスーパー中学生:ストップ!にいちゃん〜フツーがフツーでなくなった時代

月刊誌:少年に掲載されていた関谷ひさし氏の「ストップ!にいちゃん(1962-1968)」は、小学生に成り立ての頃のジブンのお気に入りNo.1の漫画作品でしたが、amazon-Kindle版が(1944円→540円)と大幅ディスカウントされたのを期に、ノスタルジックに全作品を読み返してみると(サザエさん以上に当時のジブン達の日常のモノローグ的な内容だと思い当たりますが)今の時代でも十分楽しめる作品であるのが解ります。

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主人公の中学生:南郷勇一が学生帽を被ってスーパーカブにまたがり酒屋さんのアルバイトに励むという巻があります。一見不合理ではありますが、昭和35年(1960)以前の原付免許というのは警察で許可証を貰えば14歳以上で取得できました。(1952-1960)つまり中学生がノーヘルメットでスーパーカブに乗ってアルバイOKな時代だったというわけです。(参考:運転免許証の歴史)

そんな下地があるものだから、1968年ジブンが10歳になる小学4年生で”自転車が欲しい”と思い立った頃、”欲しい自転車”なるものが親への”おねだり”で済まない家庭の経済状況というのも理解しておりましたから、新聞配達を始めるのに何の躊躇も疑問もありません。何より世間がまだまだそれを容認してくれていた時代でした。

新聞少年(山田太郎) 歌:青春太郎

山田太郎の「新聞少年」(1965年5月発売)です。

1973年の最低年齢条約(国際労働機関)に批准する以前の時代には、現在のように労基法違反、児童虐待だと騒がれることはありませんでした。

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福岡県福岡市南区野間四ツ角交差点〜多賀付近
マゼンダ:朝刊ルート グリーン:夕刊ルート

 

「Googleマップを使って過去の地形図や空中写真を見る」を使って記憶も怪しい1969年当時の新聞配達ルートをなぞってみたのが上図です。ただし当時の朝刊ルートの多賀方面は福岡市の小高い山並で、今は無き旧TNCテレビ塔が立っていたテレビ西日本まで毎朝自転車のペダルを踏んで登坂、夕刊はルートは一転して野間から若久小学校に至る近辺(頂上OKANO宅)を上り下りしておりました。

結果的にではありますが、2年間におよぶ朝夕の鍛錬が頑強な体を作ってくれたし、オトナ達とのつきあいが世間を理解するベースを育ててくれたと思っています。学業に影響は無かったなどとは申しません。午前中の授業でうつらうつらする日もありました。ただ成績が落ちたら新聞配達はやめさせられる約束でしたから、それなりには頑張っていたと...思います。

今から思うと傑作ですが、新聞店のオーナーが小学校のPTA会長もやってたんですよねぇ...

ジブンが生涯最初にローン(分割払い)を組んだのもこの時で、新聞屋の向かいの自転車屋で当時3万5千円超の自転車を12回払いで購入いたしました。
(大卒初任給:3万円、県営住宅家賃:2980円、一戸建て家賃1,5〜2万円の時代)

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現在は子供の労働・就労に関して「児童労働撲滅キャンペーン」が横行する時代ですから、紋切り型に子供が働く機会を奪われているとも解釈できます。
ジブン的にはこの事だけに留まらず ”良かれと思い込んだ正義のオトナ”ほど質の悪いものはない、そんな時代な気がしております。