日々の雑感〜「肉は太らない」から健康的なのか?〜「酒は百薬の長」なのか?

「圧倒的なボリュームと抜群のコスパ」そんな掛け声で流行しているらしいローストビーフ丼、食べ放題な焼肉ダイニングがドッと増えて、最近では肉の塊を買い求めるヒトが増加中とか...

640x640_rect_50926477

ライザップが脚光を浴び始めた頃、ダイエットに関して「炭水化物と糖類はNG」「肉と野菜はOK」みたいな住み分けが常識化したのが最近の肉食ブームのきっかけな気がしています。

000117025魚介系から肉食へのシフトは、嗜好の移り変わり(西洋化)のように言われていますが、個人的には「調理の手間の差」と「魚介系の割高感、肉の割安感」が進んだせいな気がしています。一度に食べる肉の量は減っていますが、ジブンの80年代に比べても肉を食べる機会は格段に増えています。

肉を食べるだけで発がん率20〜50%アップ

ベジタリアンに言わせれば、ハーバード大の学術論文を引っ張り出して「お肉を毎日40g(アメリカンドッグ1個分くらい)食べると 癌になる可能性が20%も高くなる」「血液が酸性に偏り、悪玉コレステロールや血管を詰まらせる飽和脂肪酸が非常に多く、HCA(ヘテロサイクリックアミン)や PAH(多環芳香族炭化水素)のような発癌性の化学物質も多く含まれている」とたばこの喫煙と同じ扱いを受けたりします。

確かに世界一大腸がんの罹患率が高いニュージーランドは、世界一牛肉の消費量が多い国だったりするし、一昨年には世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)は「ベーコンやソーセージ等の加工肉は"人体にとって発がん性をもつ"として、たばこやアスベスト同様、がんとの因果関係を示す十分な根拠が認められるグループ1に分類」し、挙句は「ウインナー1本食べると25秒寿命が縮む」という損失余命なる造語にまで使われています。

これからは大腸がんがさらに流行するやもです

 

 酒は嗜好品 「百害あって一利無し」が妥当

肉食機会が増えれば酒量も増す...とはこじつけな気はしますが「酒は百薬の長!」と気勢を上げるのは大間違いのようです。

「適度な飲酒は、体全身の血行を促進し体の免疫機能を高めるます。またストレス解消になります」と嘯くヒトはいまでも数多くいますが、

タバコが露骨にわかりやすい害毒だとすれば
お酒はカモフラージュ要素で包装された強烈な害毒です。

というのが実際なシロモノ。厚生労働省の健康日本21の報告でも、アルコール(酒飲)の問題列挙しかありません。「いやいや国立がん研究センターの調査では、適量の飲酒を続けている人は脳卒中の発症が4割低下することがわかってます」とか言うヒトもおられますが、大元の資料を読むとかなり微妙です。また同センターの「飲酒と食道がんの発生率との関係について」「飲酒とがん全体の発生率との関係について」報告内容には辻褄の合わない数字が並んでいたり、愛知県がん研究センターでは「飲酒は喫煙より3倍もがん発生の危険」との趣旨の報告もありで、やはりこの種の研究報告ひとつを取り上げて「科学的に証明されている!」とか言い出すとエセ科学を吹聴することにも成りかねません。

いいトコどうやら「百害あって一利無し」が妥当と思えます。

 

<おまけ> 喫煙に厳しく飲酒に大甘な 池田信夫氏

事あるごとに喫煙者を捕まえて「馬鹿じゃないの!」位の勢いで害を言い立てるので有名な池田信夫氏ですが、飲酒については大甘どころかかなり問題な発言も多いです。

ikeda1
池田氏がよく引き合いに出す世界保健機関の「喫煙が直接的な原因となった死亡者数が、全世界で600万人」発表、同機関は「アルコールが原因の病気や事故により330万人が死亡している」とも言ってるわけで、飲酒年齢引き上げで死亡リスクが下がるという報告もあるくらいなご時世にけっこう鈍感な発言をされております。

飲酒運転だけを針小棒大に騒ぎたて、事故も起こしていないのに飲酒運転だけで懲戒免職にするのは異常だ。飲酒運転は、交通事故の最大の原因ではないし、トレンドとしては増えてもいない。交通事故を減らすには、もっと客観的に全体状況を検証する必要がある。」と統計データ偏重症な池田氏です。

まぁケチを付けてみたいだけで書いてるのですが....