2018 mac mini 発表〜 予想を超えない仕様とちょっと呆れた価格

Appleは、10月30日23時(日本時間)ニューヨークで開催されたスペシャルイベントで「Mac mini」「MacBook Air」「iPad pro」の新モデルを発表しました。正直なトコロ「Mac mini」「MacBook Air」はやはりロストナンバー扱いな製品かもなぁ...製品仕様を眺めてみてのジブンの印象です。

アップルサイトで「その進化はミニじゃない」とか言われても、4年以上放置された製品に今風のアップル定番アレンジをまとわせただけで、性能は予想を超えるべくもありません。

mac mini 2018

グラフィックエンジン:Intel UHD Graphics 630 でやっと正式に4K、5K対応となり、今風のディスプレイ選択・アレンジに対応できるようになりました。いままで規格対応が判然としなかったHDMIポートも初めてHDMI2.0対応を謳っています。

  • HDMI 2.0接続:最大4,096 x 2,160ピクセル解像度、60Hz駆動
  • Thunderbolt 3 接続:最大5,120 x 2,880ピクセル解像度、60Hz駆動
    (接続するディスプレイの数による →モニター接続ガイド参照

そしてどうやら購入後のメモリー増設も可能になったので、2014モデル以来難しくなっていた仮想Windowsを起ち上げたり、ヘビー級アプリを使うこともできます。

何かに繋ぐためにはほとんど専用変換アダプター必須なThuderbolt 3
せめてThuderbolt 3とUSB3.0 のポート数が逆だったら良いのに...
(ただのイチャモンです。特別な拡張性を考えればこれはこれで正解です)
旧規格資産持ちのユーザーとしては
Thunderboltとは名ばかりで上位互換でないThuderbolt 3
アップル独自規格Firewireと繋がるのかはっきりしないThuderbolt 3
と恨み節はありますが、そんな時代です。

「Gigabit Ethernet」ポートは従来どおりの1000BASE-T Max
 (10Gb Ethernetはオプション選択が必要です)
「HDMI2.1」が載るのは8Kディスプレイ登場時期でしょうか
 購入後のSSDの換装アップグレードは出来ません

 

T2チップ搭載でセキュリティーは万全に...?

おかげで購入後のSSDのアップグレードは永久に出来なくなりました。

T2チップのおかげでセキュリティーは万全に?なるかもしれませんが、T2チップが破損すると2度とデータは復元できなくなる可能性があります。

  • T2チップ搭載のMacはデフォルト設定で外部ディスクからの起動を無効にしています(設定変更で可能に出来ます)。
    T2チップ搭載のMacで、起動可能な外部ストレージがAppleのHFS+、Mac OS拡張フォーマットの場合、FileVaultを有効にすると起動不能になります。暗号化したい場合は、外部ストレージをAPFSでフォーマットする必要があります。

もしかしたら今後、外部ストレージからのシステム起動は大幅に制限を受けるかもしれないです。大きなお世話というより、過ぎた介入な気がします。

いずれにしても作法が大きく変わったということですね

新型 mac mini のターゲットユーザーって何者?

今後、廉価版は登場するのでしょうか...
感覚的には、旧mac mini(Mac mini 500GB MGEM2J/A)の2倍な価格です。

キーボード買って、マウス買って、ディスプレイ買って、バックアップ用外部ストレージを追加しても10万円掛からなかった旧mac miniは、PCを学ぶ初心者に最適なMacだったし、2012モデルまではユーザーカスタマイズ可能な唯一最後のMacでした。

と言っても 最新のiMacやMacBookシリーズとのパフォーマンス/価格のバランスを考えてのことなんでしょう。呆れるほどに高価というワケでもないです。

Macユーザーの裾野を広げようみたいな戦略は過去のもの...そんな時代です。

 

新型mac miniは買い!なのか?

価格に疑問は残るものの、今風にアレンジされた2018 mac mini、最速CPUを選択すれば 15'MacBook Pro 2018モデルを上回るベンチマークを叩き出すほどパワフルです。(http://browser.geekbench.com/mac-benchmarks)

ただmac OS Mojave以降でしか使えないです。
32ビットのアプリ資産を継承したいユーザーは躊躇しそうですが、ギリギリ使うことが出来る最後のmacとも言えます。仮想OS Xを走らせるアプリも登場しそうで、メモリを潤沢に搭載すればそんな心配は実質上解消される日が来るのかもしれませんが、確かな話ではありませんし満足できるパフォーマンスを発揮するとも限りません。なによりT2チップとの兼ね合いがどうなるのかも心配ですが仕方ありません。

ただ新規のMacユーザーや既にmac OSベース環境が整ったユーザーにとっては、これまででイチバンパワフルな mac miniですから、こんな旧来のユーザーのイチャモンに耳を貸す必要もない選択をすればいい程、2018 mac miniは良く出来たモデルに見えます。

特にオススメ出来るのは

  • 5K、4Kディスプレイを使いたい方
  • 8GBを超える潤沢なメモリが必要なヘビーアプリを使う方
  • 10Gb Ethernet(+11,000円)の高速有線接続が必要な方
  • Thundebolt 3が2ポート以上必要な拡張機器を使う方

そして何よりパワーを求めるそんなユーザーにとっては 2018 mac miniを選択する意味はあります。