日々の雑感〜東京オリンピックと青い山脈〜女性の社会進出運動と事の本質

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は森喜朗氏の後任会長として橋本聖子五輪担当大臣を選任するらしいですが、”開催ゴリ押し推進ありき”で話ができるヒトなんて政治家以外には考えられず、年功序列で橋本さん、という日本的な人選着地な気がします。ただ橋本さんご本人としては、火中に栗ならぬ渦中に苦理な選択に気が重そうに聞こえます。

森さんの”女性蔑視”発言で湧き上がった今回の騒動、戦後の女性の社会進出運動から営々と繰り返される課題と言われていますが、そこで古いヒトなら思い出す石坂洋次郎原作の『青い山脈』※1 「東北地方の港町を舞台に、若者の男女交際をめぐる騒動をさわやかに描いた青春小説である。『青い山脈』は、日本国憲法が施行された翌月から連載され、民主主義を啓発させることにも貢献した。-wiki-」とあるように、時代変遷のたび何度も(1949年・1957年・1963年・1975年・1988年の5回)リメイク版映画が制作されたのは、男尊女卑打倒に傾倒していたヒト達の想いが込められてのことと勝手に想像するのですが、それもやっと時代錯誤的と思われたのか1988年を最後にリメイク版が作成されることもなくなりました。そもそも「農村旧態文化に新時代の息吹を注入しよう」風な設定が表面的にはインターネットの時代には通用しなくなったとも言えます。

※1「民主的なるもの」としての「女教師」像

 

1949年:「青い山脈」「続・青い山脈」2編
     監督:今井正、主演:原節子、池部良。モノクロ、
      ロケ地:静岡県 下田市

1957年:「青い山脈-新子の巻-」「青い山脈-雪子の巻-」2編
      ロケ地:岐阜県 中津川市、恵那市

1963年:監督:西河克己、主演:吉永小百合、浜田光夫、芦川いづみ
      ロケ地:滋賀県 彦根市

1975年:監督:河崎義祐、主演:片平なぎさ、三浦友和、中野良子
      ロケ地:長野県 上田市

1988年:監督:斎藤耕一、主演:工藤夕貴、舘ひろし、柏原芳恵
      ロケ地:青森県 弘前市

 

実のところジブンは還暦過ぎの古いヒトながら「青い山脈」にはほとんど無縁、小説や映画もほとんど見ておらず、唯一1975年版「青い山脈」を女優:中野良子さんが出演されているという理由だけで高校時代に見ただけ...あとは大学時代に酒宴の席で助教授から口伝えに教わった(現代ではセクハラアウトな)替え歌くらいしか知りません。

原作は「東北地方の港町を舞台に」とあるらしいのですが、映画制作毎にロケ地はコロコロ変わっています。1988年版では原作者が青森県立弘前高等女学校の教員であった履歴からなのかロケ地が青森県 弘前市とされましたが、個人的にはどうも新潟が思い浮かんで...上越高速道を北に向かう道すがら群馬・新潟の県境に位置する三国山脈を眺めるたびに不思議と「青い山脈だ!」と思ってしまいます。

 

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会で橋本聖子五輪担当大臣が選任されるとまた「男女平等」の文言に固執してまたぞろそこに悶着入れるヒトが続出、もともと事の本質はそんなチャイルディッシュな屁理屈にはないはずなのですが...サンデーモーニングで大宅映子さんが発したコメントこそが「正論」といえます。

つくずく正しい歳のとり方をしたいと思いました