アニメ版「スーパーカブ」〜令和の時代の昭和的自立実践物語

2021年4月7日から放送中のアニメ版「スーパーカブ」山梨県北杜市を舞台にゆっくり流れる田舎の時間と「両親なし友達なし趣味なし、お金も無いし将来の目標もない、私には何も無い」一人暮らしの女子高生がスーパーカブに出会った日から変わっていく日常を切り取ったアニメ。

原作[トネ・コーケン] 漫画版[トネ・コーケン×蟹丹×博] が既出ですが、いまどき共感もないだろう主人公の設定とありがちな展開でアニメ版「スーパーカブ」には期待しておりませんでしたが...音楽と演出でこう変わるか、とちょっと気に入ってます。

漫画版「スーパーカブ 」では、冒頭から父親の事故死、母親の失踪、奨学金頼みの一人暮らしで孤独な主人公を紹介されていますが、アニメ版では一切解説がありません。結果的に無用な情報やセリフ少なめな演出が情緒的でシンプルなお話に仕立てられて好感が持てます。永遠の中二病アニメ監督の作品とは対局のリアル...とか一瞬想いましたが、これはこれで「女子高生とスーパーカブ」という令和なら成立しそうなトレンドだけで令和のリアルとは言い難く、内容はどちらかと言えば懐古的な頭で眺めてやっと成立する「昭和的自立実践物語」にも思えます。

 

昭和の時代でもフツーの女子高校生がバイクに乗る設定は一般的なお話とは言い難い...のですが「バイク運転してみたい!」同級生の女子に1日限りの教習をしたコトがあるジブンにはまんざら空想的とも言い難いし、劇中登場する「3人死なせてるスーパーカブ」は、走行300km程度で1万円という無理筋...などと思うのは野暮なんですが、高校生だった頃のジブンは団地に放置された廃棄バイクを再生させて中古店に買い取ってもらっては日々の小遣い稼ぎをしていたなぁ...

お金のことから学生のバイク規制やバイト規制の実態等々、令和の時代に難しい現実の壁はたくさんあってアニメ版「スーパーカブ」はおとぎ話のようですが、頑張れば成立しないワケではない、のは随所にジブンにとっての昭和のリアルを追体験させるエピソードが挟まれてるからかもしれません。

第一話

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ジブンと4ヶ月遅れで誕生した同い年な スーパーカブ、小学生の頃に新聞販売店の兄ちゃんにあれこれ教わって動かしたのが初めてか、幼稚園児の頃、前乗りで父親と走ったのが初めてか...