新型コロナ変異株:B.1.1.529〜WHOがオミクロンと命名〜第6波の火種となるのか...

南アフリカで検出されたCOVID-19の新しい変異株:B.1.1.529変異体は、世界保健機関(WHO)によって「オミクロン※」と命名され、感染力が「非常に高い」可能性からバリアント指定されました。スパイク突然変異の数が多く(現時点では少なくとも32と推定)、ワクチンを回避して拡散する能力について懸念されます。

※WHOは変異株を現在はギリシャ文字のアルファベット順で命名してきましたが、今回オミクロン(o)で、ニュー(ν)とクサイ(ξ)の二つの文字が飛ばされた形になりました。WHOは理由を明らかにしていません。NEWと混同される可能性や英表記でのクサイ「Xi」が中国の習近平(シーチンピン)「シー」を連想するからとかしないとか....

Department Health Republic of South Africa. SARS-CoV-2 Sequencing & New Variant Update 25 November2021

また英:帝国感染症局のウイルス学者トム・ピーコックは、ツイッターで「非常に長い枝の長さのスパイク突然変異プロファイルを持っている」とのコメントがあります。

元来変異種:B.1.1系統は、イギリス〜ヨーロッパの血統と分類されていますから、南アフリカで最初に検出されたからといって、それが発生した場所であるとは限りません。まだ特定のPCRテストで検出できるので、迅速に検出、追跡、対応が可能です。

※南アフリカ:ハウテン州で多くの症例が見つかっており、11月12日〜20日の検査例:77例全てがこのオミクロン株による感染者であることが分かりました。

スパイク突然変異の数が多く、免疫防御を回避する能力を獲得している可能性もありますが、変種の危険性に関して具体的に十分なデータはまだありません。ファイザーと共同でワクチンを開発したBioNTechは「遅くとも2週間」で「変異体が世界的に広がる場合にワクチンの調整を必要とする可能性のある脱出変異体」である可能性があるかどうかについてのより多くの情報を提供すると声明をだしました。同社は過去に変異株対応に関して、ワクチンを「6週間以内に適応させ、エスケープバリアントが発生した場合は100日以内に最初のバッチを出荷する」とコメントしたことがあります。

....要するに まだ何も解ってないけど、分析屋さんが「ヤバそう!」と直感したので、とりあえず命名して要注意しときましょ、という段階です。クリスマス前には具体的な感染力や対応策等の発表があるでしょうね。とりわけ南アフリカ現地でこれまでの感染主体だったデルタ株からオミクロン株への置き換わりについて統計的な確認が明らかになれば、これは他地域での再パンデミックへの驚異になります。日本政府は以前みたいにもたもたしないで空港での入国制限を掛けてほしいもんです。