日々の雑感〜革新への勇気を忘れないためのアイテム

成功体験に根ざしたジンクスを大事にしたり、おまもりを肌身離さずというコトをヒトはよくするモンですが、他人にはにわかには理解されないコトが多かったりします。

カメラマンの知人には難しい考え事をするとき決まってレンズプロテクトフードを片手で廻しながら難しい顔をするヒトがいます。「それなに?」と聞いてみると、90年代にエベレスト登頂に随行カメラマンとして登ったときの記念品なんだとか... 長い話を聞かされましたが、要約すると荒れた登頂決行日に随伴するかどうか悩んだときのカメラにくっついてたシロモノなんだとか。なんだかカッコいいのだけれど、ジブンにはそんなシロモノはすぐには思いつきませんでしたが、先日机廻りを掃除していると床に転がった手裏剣で危うく怪我をしそうになって手にとって眺めてみると...大昔の仕事の記念に取っておいたモノでした。

手裏剣状の凶器...ではありません

詳しい話は専門過ぎてつまらないので要約しますが...金属の耐摩耗性を上げる表面加工を検討していた開発過程で作成した数十種類のテストピースのうち、圧倒的な耐摩耗性向上を示したモノ...です。

当時は廻りから理解されないシロモノに没頭したエンジニアを演じておりまして、例えるなら和菓子屋さんがアンコを練るための桶が気に入らないから自前で桶まで作ってしまおう、それも桶屋が作ったことも作ろうともしなかった物をやってたワケで、それよりアンコの中身をもっと工夫しろと言われてあたりまえ。

廻りの空気は感じていたものの”鈍感”を決め込んでいられたのは、まだ肩書を持たない気易さだったのもありますが、なにより直感的に”これはいけるハズだ”みたいなモノに取り憑かれておりましたし、理解を求めるにも説明が億劫になっておりましたから、あからさまにストップが掛かるまでは勝手をやらせてもらおうと決めておりました。

結果的には出来上がった桶無しには作れないアンコが出来てめでたしめでたい...みたいになってくれてホッとしたもんで、廻りを無視して突っ走ることが果たして”勇気”とは言えないながら「成功体験や理屈に縛られては前に進めない」をやって見せられたのは、なにより若いジブンの自信になったモンです。

数分の与太話の清書版...