モンキーRT〜5年ぶりの再起動に向けて〜吸気系のチューニング:KEIHIN PD系キャブレター検討

CD90/HA3を積んでいたときは、KAWASAKI KLX110用のKEIHIN PB18キャブレターでセッティングしておりましたが、今回換装するGPX125エンジンでこのまま使う(もちろんジェット類変更でセッティングするんですが)ことも出来なくはないものの、スペック的には役不足なのは否めません。GPX125エンジンIN側ポート口径が26mm、付属のインマニも内径27mm程度なので、このエンジンには標準で口径26〜28mm(ベンチェリー径24〜26φ相当)のキャブレターが想定されてると思われます。手持ちストックで適合しそうなキャブレターを探すと... 1980 XR200R用の純正キャブ(KEIHIN PD28A※)がベンチェリー径24φ、ポート側内径29mmでなんだか使えそうな気がします。

 

※KEIHIN PD系が使われているHONDA純正キャブとしては、XR185はPD31A、XR200はPD32A、初期のXR200RはPD28A、86-97はPD97AB、98-02 XR200RはPD97ACまたはBA、が装着されていました。一般車ではXL200RがPD61、XL125RがPD52という型番となっています。KEIHIN PD系キャブの場合、追番手数字が口径・ベンチェリー径になってるワケではないようです。また「PD24」と呼ばれて流通していたATC200用の純正キャブはたぶんXR200R用のPD28Aだったと思われます。現在汎用品として流通しているのは PD22、PD26だけですが、KEIHIN ロゴがあっても海外生産品だったり中華コピーの場合が珍しくありません。

KEIHIN PD22
MJ #95(6×8mm)
PJ #38(6×28mm)
キャブレター取り付けピッチ 48mm
フィルター側内径サイズ 約 φ38mm
ポート側内径 約 φ26mm
ベンチュリー径 φ20mm

KEIHIN PD26
MJ #105(6×8mm)
PJ #35(6×28mm)
キャブレター取り付けピッチ 48mm
フィルター側内径サイズ 約 φ38mm
ポート側内径 約 φ26mm
ベンチュリー径 φ22mm

KEIHIN PD28A
MJ #110(6×8mm)
PJ #37(6×28mm)
キャブレター取り付けピッチ 48mm
フィルター側内径サイズ 約 φ38mm
ポート側内径 約 φ29mm
ベンチュリー径 φ24mm

こんな感じです。純正採用されることの多いPD系キャブはセッティングが出し易い性格ながら、ハマったら凄いみたいなチューンナップには向かない平凡なキャブとも言えますが、年中山谷巡るツーリングには常に安定した性能を発揮してくれるキャブです。

また汎用として販売されているPD系や一般市販車装着されているPD系のMJは、通常”丸型大”と呼ばれるモノが付いていますが、競技車両に装着されているPD系では、PWK系・PE系で使われる”六角型”が使用されています。多分MJによる特性が異なるというより交換利便性(競技車両キャブのフロート底にはMJ交換用ドレンが付属)によるモノと思われます。

 

KEIHIN PD系は結構背高なキャブなので、PB18で使ってたインマニだと下駄履かないとエンジンに当たってしまうし、そもそもインマニの内径(22mm)が全然足りません。

とりあえず仮装着して各部設置具合を見る...

従来どおりキャブを傾斜設置できればキャブヘッド、スロットルワイヤーの干渉を逃げられるので既存のエアークリーナーBOXが使えます。

GPX125エンジンに同梱のインマニ(キャブ水平設置)だとポート径は合いますがやはり下駄履かないとエンジンに当たります。加えてスロットルワイヤーが直上に伸びる仕様なのでエアークリーナーBOXが収まりません...と前途多難。とりあえず内径28φ程度でキャブを傾斜設置出来るタイプで。全高70mm程度の背高タイプのインマニが必要です。

ネットを探してみると「TAKEGAWA KEIHIN PD22 キャブレターキット」なるモノがあります。大昔には「モンキーRのS・Rステージ専用」として販売されてもいたらしい。

もちろんこんなモン、キット購入する程の予算は無いしキャブを傾斜設置する仕様にもなっていないので却下。インマニ形状的にはTAKEGAWAの「インテークマニホールド A-7」タイプが良さそうなんですが、どうやらポート内径22mmしかありません...いっそPE28キャブとかであればTAKEGAWAマルチマニホールド(ショートタイプ 03-02-0024 )ハメて設置は簡単ですが...セッティングムズい系のキャブは今回パスです。

KITAKOにしろTAKEGAWAにしろ 一般的にはKEIHIN PC20基準で作られたインマニが主体なので、こっちに都合のいい寸法のインマニなんて無くてあたりまえなのですが....

 

2022.5.16追記
頭を切り替えて中華圏のインマニをヤフオクで根気よく調べてみると...良さげなモノがありました。サイズ的にも形状的にもまさにウチのPD28AをモンキーRに搭載するための専用アイテムのようにも思えます。800円と激安なモンで先週末にポチって到着をまっておりました。

到着したのでPD28Aを組んでみた....

予想通りインマニ(内径30mm)とPD28Aインマニ開口部(29mm)がほぼピッタリ、おまけにGPX125付属のインシュレータ(内径28mm)まで専用品みたいにピッタリで、ルーターで小細工してやるとスムースな接合ができます。

前述のショートマニホールド付けて仮組みした写真と比べてみるとわかると思いますが、これだとエンジンにキャブが当たることもないでしょう。明日以降に時間が取れたらエンジンに組み付けしてみたいです。傾斜設置するとオーバーフロー気味になるので油面を標準より下げて調整する必要があるやもです。特にSJ系には敏感ですから...

さてここでまた別の問題が生じます。高さを稼げたおかげでダクトとエアークリーナーBOXの接合が旨くいかず、そのままではモンキーRT純正品を流用するのが難しくなります...が、これは当初から予想していたことなので、場合によっては専用のオリジナル・エアークリーナーBOXを作ってダクトを接合する予定です。

真横から眺めると...

インマニをそのまま装着するとかなり左側にキャブの向きが振れるので、アルミビレットの下駄を履かして向きを調整してみました。

純正エアークリーナーBOXを定位置で当てて見ると...先端左側にダクト孔を開けてやるとちょうどすっぽりキャブのエアー側が入ります。エアダクト効果を考えると...エアークリーナーBOXの中にXR200R用のダクトを引き入れた二重構造にするのが良いか、はたまた従来のダクトにオリジナルのエアークリーナーBOXを新設するか...です。(続く)