本屋がつぶれる道理〜いつでも、どこでも、ルーズに時間を食い潰す世の中

"ガラガラポンに向かう社会" カテゴリー記事
  

「amazon待望のKindle Fire HD 16GB国内版が公約どおり驚きのバーゲンプライス:15,800円(税込み,16GB仕様)で登場しました」これからは電子書籍の時代…なのだろうか。

初めて”電子書籍の時代”を身近に感じたのは80年代末、Macintoshという機械で”HyperCard”というモノクロスタックを作ってはパソコン通信で長時間掛けてバラマキ、他者作品をダウンロードする機会を得たときでした。

90年代初頭にはカラー写真も動画も扱えるツールが揃って、来たるインターネット時代の到来を迎えるばかり、と思い込んでいたヒトは少しだけ日本に居たと思います。

20年掛かって電子出版に漕ぎ着けるには”世間で一般的になるコト”と、”著作権・出版ビジネスのルール”の成立を待たなくてはならなかったワケですが、目新しさは皆無な代わりに胡散臭さだけは満載されました。

 [browsershot url=”http://www.gizmodo.jp/2012/10/kindle_11.html” width=”200″] Kindleで購入した本を所有することはできない : ギズモード・ジャパン

前世紀末にジブンも関わった”音楽ダウンロード”は紆余曲折あったもののいまでは当たり前になり、CDが消えてレコード店は潰れてなくなりました。電子書籍も長い歴史のペーパーブックに取って代わるかもしれないけれど、街角の本屋がつぶれるのは電子書籍のせいではない気がしています。

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いまでも電子書籍万歳!などと思ってるヒトは少ないのではないでしょうか。
”やっぱり本がいい”というヒトが多数派かと言えばそんなこともなくて、実のところ”どうでもいい”と思ってるひとが大多数なのではないかと思えます。

 [browsershot url=”http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/3956.html” width=”200″]  図録▽国民の読書量2009

”新聞や本が売れない”は今世紀に入って特に顕著で、そもそも新聞の意味は無くなったも同然だし”本を読まない”〜”読む時間が無い”は増えこそすれ減ることはない時代の流れです。

 [browsershot url=”http://www.garbagenews.net/archives/1565633.html” width=”200″]  新刊書籍・雑誌出版点数や返本率推移をグラフ化してみる:Garbagenews.com

文字どうり情報が飛び交って溢れる社会が実現されて以来、ヒトは隙間なく連続する情報に食らいつく欲張った生き方を是とする社会に生きています。効率の良さが求められエネルギッシュにスケジュールをこなし「いつでも、どこでも、ルーズに時間を食い潰す」のに材料(インターネット、ビデオ、メール、SNSアプリ)はこと欠かない時代、限られた時間を読書に振り向けることは難しい状況です。

こうした流れは”マルチメディア”時代を経てiPhone/iPadでアップルがメインストリームを築いているわけですが、ビジネス対抗軸のamazonも同じ流れの中にあります。googleも外面の仕組みは似たようなものですが、根本的なマネージメント(責任)で真逆な立場(フリーだからマネージメントしない)で展開しているわけで、さすがに最近ではそれは無責任だと言われて修正が入っています。

間違いないのは3者とも電子書籍は one of them な存在に過ぎないと考えて「いつでも、どこでも、ルーズに時間を食い潰す」ツールとして似たようなデバイスとバックエンドを揃えてきた、ということです。

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3巨頭が揃って似たような「いつでも、どこでも、ルーズに時間を食い潰す」ツールに集約させたことで電子書籍、ビデオも急速にサービスが充実しています。もう各業界は白旗を揚げざるを得ないというわけです。

かつてペーパーブックとしての本こそが「いつでも、どこでも、ルーズに時間を食い潰す」ツールだったことを考えると電子書籍への流れは急速に進むでしょうねぇ….

デジタルカメラが登場して写真フィルムが消えて無くなるまで10年も掛からなかった。本屋さんや出版社、印刷業者、取り次ぎ業者さん、とペーパーブックとしての本に携わる産業はどれくらいで、どんなふうに再編されるんだろう…

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