「格差と平等」が軽自動車税増税を後押しする〜軽自動車の存在意義は優遇税制だけ〜

"ガラガラポンに向かう社会" カテゴリー記事
  

どうやら軽自動車税を大幅に上げる方向で話は進んでいるらしいのだが、押し並べて議論を肯定しているキーワードは「格差と平等」である。

『自動車取得税』は平成25年度与党税制改正大綱で、消費税率が10%へ上がる時点で廃止が決まっいる。総務省は今年5月より『自動車関係税制のあり方に関する検討会』を設置し、有識者を交えて代替財源のあり方を議論してきた。

同検討会では、排気量660cc以下の軽自動車を保有する人が毎年納める『軽自動車税』についても多数の意見が出た。『軽自動車税』は1台あたり7,200円の課税額なのに対し、660ccを超える普通車では、1,000cc以下の小型車であっても、年間2万9,500円が課税されるという開きを指摘したものだ。

 

議論の中心に据えられている背景にある自動車販売実態がコレ…なのだが

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同社の小型車Fitと同等以上の価格設定ながらFitを凌ぐ売れ行きです。

 

そんな実態を背景に有識者と名乗る輩が集まる「自動車関係税制のあり方に関する検討会」で語られている内容とは

○ これまでの議論を踏まえた論点(案)について事務局より説明を行った上で自由討議を行った。 (以下、質疑の主な内容)  2013.8.30議事録より

○整然と議論を進めていくためにも、まずは車体課税の理屈について議論するべきであり、税負担の増減についての議論は最後に行うべきである。

○車体課税の一体化・簡素化という方針は支持していきたい。軽自動車と登録自動車の格差や営自格差をできる限り縮小していく方向性で議論していくべき

○環境性能に応じて税を優遇するという理屈は、担税力に着目してきた租税の論理とは異なるのであるから、当該優遇措置は特別措置として設計するのがよいのではないか。

○CO2排出量のみをベースに課税すれば別だが、ドイツの例からも財産税的な課税とCO2排出量をベースとした課税を組み合わせれば、税収に大きな変化はないのではないか。

○温暖化対策税や地方環境税が導入されていることからすれば、わが国の税制上、環境負荷に応じて税負担を上下させることが公平な課税にかなうという考え方が入り込みつつあり、自動車関係税についても、財産課税だけでなく、CO2排出量で税額を変えていくことで環境の点から公平な課税を行うという考えは可能ではないか。

○わが国における課税の根拠は、担税力を前提に議論がなされてきたことから、バッズ課税のように、応能性と結びつけることなく、単なる損傷金として課税するのが公平性に資するという発想は、法学上はわが国においてあまり熟していないと思われる。

取得段階においてインセンティブを税制に組み込むことは、消費者の購買行動に影響を与えるものと思われるので、取得段階において、現在の自動車取得税が有している環境機能を自動車税の中に組み込むことは1つの考え方としてあり得るのではないか。

○営自格差について、環境政策の観点から見た場合、バスは理解できるものの、特に貨物車はその理由を見出し難く、精査していく必要があるのではないか。

○環境税的な側面だけでなく、財産税的な側面からも、貨物車の営自格差については精査が必要ではないか。

○営自格差を撤廃するとした場合、タクシーやハイヤー等の増税分は乗車賃に価格転嫁されるものと考えられ、自家用乗用車を保有している乗客にも転嫁されるものであることからすれば、撤廃が直ちに正しいとは言い切れないのではないか。

社用車とマイカーの税額に差が設けられていない点について議論が必要なのではないか。

自動車関係税制を簡素化する方向で、軽自動車と登録車の統合や営自格差の是正を、そのための前提条件として議論していくべき。

○取得時課税の代替として、アメリカの登録税的な制度を導入することが考えられないか。

○CO2排出量を基準とする考え方がわが国において十分になじんでいるとはいえない状況下において、毎年の自動車税に財産税的なものとCO2排出量の両方を反映させるというのは時期尚早であり、現時点においては、初年度の課税で工夫する等して、現在の自動車取得税の機能を自動車税に組み込んでいくことが現実的ではないか。毎年の自動車税を環境性能に応じて税率を計算して課していくというのは実務上厳しい。

最初の3年間にわたって重軽課するというのは、実務上可能である。

○自動車税の中に自動車取得税の果たしている環境政策的な機能を組み入れようとした場合、複雑な制度とならざるを得ないが、これは簡素化の方向に逆行するので、理念的な税制にしていく過程にあるものであるということをうまく説明する必要があるのではないか。

○二輪と原付についても論点を挙げておく必要がある。

 

有識者と名乗るヒト達からしてインテリ崩れの井戸端会議のレベル。
使い道も怪しい利権目的税の目減り穴埋めのために、説得易いキーワードをどうやって並べたらいいかを議論しているに過ぎません。

米系自動車メーカーとトヨタの「軽自動車の存在が普通自動車の販売を阻害している」論はナンセンスながらも、現在の軽自動車の仕様・性能と実質購買グレード価格実態からして「格別な税優遇」を施すのも首をかしげる状況とは言えます。

損得勘定に捕らわれるとヒトは妙な判断をするものです(いや絶妙な判断と言えるかもしれませんが)「高い買い物をした後にみみっちく元を取ろう」とする卑しい(いやまた賢い)選択が働きます。(→軽自動車税が値上がりした場合の軽自動車に乗るメリットについて

「5年間・10万km」を経なければ元が取れない、ということは知ってか知らずかとにかく”燃費がずばぬけて良い”とか”エコ減税対応”という目先のお得がぶら下がるとホイホイ高い買い物もいとわないヒトはたくさんいます。

「軽自動車の存在意義は優遇税制だけ」という意見が大勢を占める様相ですが、地方の過疎地域では「利便実態に則した最低限の移動アクセスの確保」として必需品だし、収益率の低い中小企業のビジネスモデルは軽自動車で保っている、というトコロも少なくありません。


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いっそ優遇税制を受けられる軽自動車規格に上限価格を設定すればイイ、と短絡化しそうですがもともとリッターカーと構成も部品点数もほぼ同じシロモノを価格帯で定義できるわけもありません。ただ実質的な売上げ減少(購買者のリッターカー移行)は期待できるのでトヨタ某等の懸念や税収減には好都合なのか?(軽自動車メーカーは大打撃必須ですが)

ミニマムアクセスビークルについて行政はもっと根本的に考えて欲しいものです。

 

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