カングー ATミッションのおはなし〜ATFは交換しなくてもイイ?

"カングー" カテゴリー記事
  

カングー 84,200km 3回目のATF交換」でも書きましたがルノー(というよりメーカー系列のディーラー)ではおしなべて

ATFは交換しなくても大丈夫ですよ
と言います。

以前乗っていたヴィッツではATF無交換で5万km走ってからトヨタディーラーに持ち込むと「ATFを交換するとミッションが誤動作する場合があるので…」そのときは勘弁してくれと言わんばかりの対応でした。
ジャトコでエンジニアの端くれを20年務めた友人曰く「メーカーに(ATFの無交換を)推奨したことはない」らしく「自分のクルマは1万km毎に交換してる」ATミッションは繊細な内部構造を持っているので「ATFを交換するなら早めに」なのだが、長距離ATF無交換で内部にスラッジが発生している可能性があるクルマでは繊細な内部構造故に、ATF交換時にスラッジが剥がれ落ちてトラブルが発生する可能性が高まるので「問題が無ければそのままに」が鉄則とされています。このことが巡り巡って「ATFは交換しなくても大丈夫ですよ」に繋がっていくらしい。では怪しげな挙動が特徴なカングーのATミッションについて見てみましょう。


カングーのATミッション;型式DP0
(仕向け地、エンジンによってDP0-013、DP0-027、DP0-038、DP0-047等の仕様があるみたいです)

ルノーとPSA(シーメンス、シトロエン、プジョー)が共同開発したプロアクティブ・トルクコンバーター、PSAグループでの型式はAL4
許容トルクがカングーの最大トルクの2倍くらいあるので、国産車より低回転域からロックアップがかかるプログラムながら設計自体は頑丈らしい。

「学習機能付きDポジションは、アクセルペダルの踏み込み量を基準にエンジンコンディション(アクセルの踏込速度,エンジン回転数,ギヤポジション,オイル温度,水温等)を考慮(ファジーロジック)してドライバーがアスリート運転者(エコモード)か,スポーツ走行運転者(スポーツモード)か、その中間か、を判断しシフトスケジュールを制御する」

 「アクセル開度49%以下で急にアクセル踏量が増した場合は、運転時モードより1段階スポーツモードよりのシフトスケジュールに移行し、アクセルを離すと元のモードに戻る」

 DP0では減速時のシフトダウンもスケジュールされるので、MT車のようなエンジンブレーキが発生します。MT車に乗ったことが無いヒトは、国産車ATの減速時の空走感があたりまえだと思っているので、違和感ありありとインプレッションされる方も多いです。

それでもたまにドーンとシフトショックが来るあたりは、制御仕切れてないんだろうなぁ、と思うし「クセのある」ATであることに異論はありません。

アーシングするとドライブフィールがかなり変わるカングーですが、ウチの場合(ワッキーさんとこのアーシングキット)だとシフトアップのスケジュールが明らかに早くなり、低速・低回転時でも積極的にハイギアを選択しようとします。アーシングが直接ECUに影響しているのか、センサー類の挙動が変わるのかは判然としませんが、もともとカングーは「バッテリー負荷が高いクルマ」とか「ノイズが多めでボトルネック症状がでやすい」と言われていますから、アーシングでの改善効果も高い(適正化される?)みたいです。

参考:ディーラー(ルノー八王子)OPTION:パワーアースコード

 

Ganzeboom Transmission Parts & Torque converters

ATトラブルが発生しやすいダウンシフトバルブとATFオイル循環経路が張り巡る「Valvebody」部分。

同型式ATミッションを使うプジョーのページに詳細がありました

「レッドポイント工場通信」さんのATトラブルに関するページを読むとおおよそのトラブル要因が解ります。「ATオイルは1年に1回交換しましょう」とのこと

我が家のカングーを診てもらっている「ジェイエンジン」さんにもATについての記述があります。型式DP0の指定ATFelf RenaultMatic D3 Syn の新品時の色は真っ赤ですが、それが6万Km以上無交換だとこんな風に変わってしまいます。

 

 

「Frenchはじめました」さんのところでもルノーのオートマチックには大苦戦だった記述があります。

DP0で最高速アタックとかしたら一発でATFの寿命がきちゃうそうです」というワッキーさんの記述があるように、DP0に限らず欧州車のATミッションはノロノロ渋滞が多い日本の道路事情ではヒートアップしやすいと言われています。つまりATFの劣化も早いということです。

カングーに限らずプジョー系のクルマの同型AT(型式AL4)でもこのATミッションが熱的に弱いというおはなしは有名なようで、海外では社外ATクーラー(DPO/AL4 Modification Kits Flyer)も売られたりしています。

以上、もともと熱的に弱いカングーのAT(DP0)ではATFの劣化が進みやすくスラッジも早期に発生すると考えられます。通常より早めのATF交換をするか、耐熱性に優れるATFを選択してやる事でトラブル防止やフィール改善につながる、というのがジブンの結論。

ちなみに純正品にうるさいディーラーもATFに限っては、DP0指定ATF:elf RenaultMatic D3 Syn にこだわっていないようです。ウチでは動粘度指数にこだわってNUTEC ZZ-51改を選択していますが、A.S.HのATFは耐熱性が抜群でフィールも素晴らしいと言われているので次回は試してみたいATFです。

 

 

これでもディーラーの「ATFは交換しなくても大丈夫ですよ」を信用しますか?