歌に寄り添う記憶 1976〜陽ざしの中で:布施明

1974〜75年「シクラメンのかほり」等で日本レコード大賞その他の音楽祭を席巻するほどに、布施明という人は久々に歌謡界で陽の目を見たわけですが、自分にとっては昔のTVドラマ「これが青春だ 1967」の主題歌を歌っていた妙に耳がでかい歌手、以上にはさして興味の対象になる人ではありませんでしたし、いまもそうでしょうか(笑)

ただ何故なんだろう「陽ざしの中で 1976,4」という曲がふっとした合間に頭のなかで流れ始めることがあります。そして当時の記憶の断片を貼りあわせたような想いも蘇ってきたりします。そして布施明のレパートリーとしては異色であった作詩:関真次 作曲:吉川忠英というペアの楽曲に惹かれたんだと解るのはずっと後のことでした。

「陽ざしの中で」 布施明

作詩:関真次 作曲:吉川忠英

坂道を下って 走り寄る君がいた
明け方に見た夢に 笑顔の君がいた

気まぐれな言葉が しみついた部屋の壁
窓辺の花だけは ほんのりと色づいた

季節のかわる気配に 振り返ってみたけれど
白い陽ざしがまぶしすぎて もう君をさがせない
もう君をさがせない

すわる人のいない 木造りのゆりいすが
陽ざしの中でゆれて ながい影をおとす

季節のかわる気配に 振り返ってみたけれど
白い陽ざしがまぶしすぎて もう君をさがせない
もう君をさがせない

 

不思議なことに「陽ざしの中で」はこれまで一度もCD収録された事がなく、長いこと自分の記憶のなかでだけ流れるメロディーでしたが、先日「布施明ベストセレクション2007」で初収録されました。当然、購入予定は無く、Yahooオークションで当時のEP盤を購入させていただきました。