マルチメディアへの予感

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Colorized HyperCard2.0

1993年、HypaerCardバージョン2.0が待望のカラー対応と、QuickTimeのプラットフォームに対応しました。当時のNIFTYSERVEに匿名投稿したHyperCardスタックが海外でも反響を受け、初めて海外からメールをもらったのもこの頃でした。そんなプライベートな趣味をさらにエスカレートさせて仕事に持ち込んだのが次の企画でした。

1993年頃、フロッピーディスク商戦はピークに達した感があり、「10+1枚組」「ソフト付き」というキーワードで各社から種々の企画モデルが発表されていました。営業からも横並びツールとしての企画モノ要求が来るのは自明で、販売成績不振の理由にされかねない状況だったことや、なによりこちらも「悪のりしてみようか」という腹づもりもあって企画を提出してみました。

当時日本コロムビア(株)アニメ部から園田賢一作品のCD-ROMを発売する計画があり、タイアップでそのサンプル紹介版をHyper Cardとしてフロッピーディスクに収録添付しようというものでした。

Macintoshフォーマット済みFDの10枚組パックに添付という形で製品化することはすぐに決まったのですが、誰がHyper Cardサンプル紹介版をオーサリングするかというところで暗礁に乗り上げかけていましたが、結局はいつものように「言い出した者=自分」がやることになるわけです。

発表されたばかりのHypaerCardバージョン2.0(このバージョンからスタックがカラー対応した)を使う方向で検討に入りましたが、いかんせん日本語版はおろか国内未入荷のものだったので海外事業部の出張者に無理をいって調達してもらいました。

オーサリングにあたっては専従のMacintoshが必要になったのですが、会社に余分な機種はなく、仕方なくというか当然のように自分の部屋にある私物のMacでの作業になりました。

「1週間、自宅勤務します!」ということで、全く異例の自宅プログラミングを強硬、さらに2日程かけてサンプル版のHyperCardスタックを作成しました。

恐らくは国内で初めてカラー化されたHyperCardスタックだったはずです。何しろ日本語版が発表されたのは製品出荷の一週間前で、アップルからは特例での許諾を受けての製品添付出荷でしたから。

CD-ROM園田賢一 Visual Collectionのリリース告知と紹介サンプル5点、BGMを収録しました。CD-ROMの画面やテキストタイプの動きをHyperTalk とColor Layer で疑似再現するのは結構面倒な作業でしたが、何より2HDフロッピーディスク1枚に入る容量が1.2MBしかないのでデータ容量を削る工夫に一番時間を割いた記憶があります。
※スタックに使用されているイラスト画像の著作権は園田賢一氏にあります。

Macintoshと同時期に手にした「Windows1.0」は全くのガラクタに過ぎず、現在のような発展は95年「Windows95」登場以降のお話です。

フルカラーグラフィックス、デジタルオーディオ、そしてQuickTime(1992)という動画プラットフォームをパソコンで簡単に扱える時代が始まっていました。それでも「マルチメディア」という言葉がまだ一般的でなかったのは、パソコン普及率が未だ10%を超えたあたりだったからでしょう。

これ以降は、KDD研究所で扱うH263規格「QuarityMotion」で10分程度の動画をフロッピーディスクに収録してみよう…などという事もやっていました。(2002.12.13 追記)