我が家のアナログ楽曲デジタルキャプチャー製品選び〜レコード、カセットテープのデジタルアーカイブ用ADコンバーター

最近、比較的若い世代のヒトからレコードやカセットテープのアーカイブを相談されることが増えました。なるほど「レコードやカセットテープの流行」は、おじさんの懐古趣味ではなくて、アナログにそれなりの新鮮味を感じたヒトのモノなのだと実感します。

昔のレコードやカセットテープを最初にデジタルアーカイブしたのは、20年以上前になりますが、当時はまだCDかリニアPCMのサンプリングデータ用のフォーマットのWAVか、アップルのAIFFくらいしかアーカイブ規格がなくて、PCに取り込むための民生用機器も限られておりました。本格的にライブラリー化するのを考えたのはMP3アーカイブが発表された頃でしたが...現在のレベルに比べてかなりチープなものだったとは言えます。

MP3アーカイブが世間に知られる1998年頃、当時のサムスン新規事業開発部長だった知り合いから「ドイツのフラウンホーファーが持ってるMpegレイヤー3の音声圧縮チップを使ったコンパクトプレイヤーを一緒にやりませんか」という提案をもらって社内企画提案を書いたこともありました。既に研究部門でMO(光磁気ディスク)を使ったデジタルアーカイブ開発もやっていたので、うまく乗せられるかも...とか考えたんですが、当時は著作権保護の旗振役やってるような会社でしたから、それはもう「何考えてんの?」くらいの反応されて企画はボツ。まだアップルから iPodが発売される3年くらい前のお話です...

 
現在のようにデジタル・オーディオが本格普及したのは10年前くらいでしょうか。DAC開発が活発化し、高解像度サンプリング〜アーカイブ規格も多岐にわたっており、我が家でも何度かアーカイブをやり直してはほんの些細な変化に一喜一憂する楽しみを得ております。

ここでは、アナログ機器からデジタル処理してPCに楽曲を取り込むADコンバーター DACについて、我が家の持ち物を通じて紹介させていただきます。

我が家では...

16bit/48kHz時代

2000年以前にもMacでマイク端子を介して音声録音は可能でしたが、もっぱらレコードやカセットテープからの楽曲録音には、Win機に業務用DACボードを装備して直結アーカイブできる環境でおこなっておりました。しかしながらMacで使えないのが何かと不自由となり導入したのがBehringer社製コンバーター UFO20、現在も型番変更ながら昔のままの懐かしい筐体、LINEン入力がPHONO入力に切替可能なのでレコードプレイヤーに直結出来ます。昔秋葉原で買った価格の5分の1以下と格安です。

MacやiPhoneでフツーに鳴らすアーカイブ作成にはこれでじゅうぶん

アナログ入力以外にも、S/PDIFデジタル入力と光デジタル入出力を搭載しています。
TOSLINK Opto In to USB / TOSLINK Opto Out from USBコネクタで、MDやDATの音をPCに録り込んだり、PCのデジタル再生音をMDやDATに書き出したりできます。フォノ・イコライザーを搭載していないレコード・プレーヤーを、レコーディング・システムに接続する際に使います。 フォノ・カートリッジの特性に合わせて入力容量を100pFと200pFに切替可。

高音質を求めてDAC導入 24bit/96kHz〜

2004.10月 ONKYO:SE-U55GX導入。
それまでの「16bit/48kHz」から「24bit/96kHz」対応アーカイブ作成に。
製品仕様ではMac対応を謳っていませんでしたが、Mac G4(OSX10.4)のUSB接続で問題なく動作することが解って発売から半年遅れで購入。ちなみに姉妹機 SE-U33GXだとUSB電力供給不足のせいかMacではまともに動作しません。以来5年以上働いてくれた優秀なDACでした。

 

 

2009年.8月 Steinberg UR12購入


現在 mac miniにつながっている「24bit /192kHz」対応のSteinberg UR12、BASICインターフェースだけですが録音には2021年現在も利用中です。USB-3対応のSteinberg UR22mkIIにアップデートしようか迷った時期もありますが...ジブンの使い方フツーに使う分には十分かと。

パーソナルなオーディオI/O DAC利用にはスタンダードにして十分だと思います

DSDな現在

2016.6月 KORG:DS-DAC-10R導入
5年前からは KORG:DS-DAC-10R / AudioGate を使ってハイレゾ録音、DSDデジタルアーカイブしています。同じレコードを何度も録り直しておりますが、たぶんこれが最後かと...

DS-DAC-10Rでの「フォノ・イコライザー」機能は、増幅はアナログ回路、イコライジングは(AudioGate 4による)デジタル信号処理へと振り分けられています。
AudioGate 4でのイコライジング処理(DSDフォノ・イコライザー)が秀逸で、入力(レコード・プレイヤー原音)LINE OUTとアーカイブ再生音をほとんど判別できないくらい忠実にアーカイブされていて、少なくともそれまでのADコンバータ(SE-U55GX)では得られなかったシロモノだったので最初はけっこう感動的でした。さらにデジタル処理でアナロジーなアレンジを加えて心地よい音を演出することも出来ます。

ただ、Macで鳴らす場合好みとしてはAudirvanaをプレイヤーに使うことが多いのですが、Audirvanaが対応しているDSDのネイティヴ再生はDoPなので、KORG DACではこれが少々問題に...

仕事の履歴上アナログ・オーディオやデジタル・オーディオには人並み以上の知識は持ち合わせておりますが、実のところ「デジタル・オーディオのディープな世界」にはトンと興味は薄く、とりわけ”鳴らす”方には無頓着で人にモノを言えるヒトではありませんので、そちらはオタクな評論家のサイトをご参考にお願いします。

10年以上前に昔から録り貯めたVHSテープ整理(デジタルアーカイブ化)をMacでおこなう人のために「アナログ映像のビデオキャプチャー製品選び〜Macにこだわりたいヒトに向けて」記事を書き、5年前アーカイブ規格が進化してた頃にウチで買い替えた製品紹介を兼ねて「アナログ映像のビデオキャプチャー製品選び〜ビデオテープのデジタル・アーカイブ」にタイトルに変えて記事更新しています。