「iPhoneの販売ほど憂鬱なことはありませんよ」〜素晴らしくビジネスライクなアップルという会社〜必ずしも関わった企業の繁栄と幸せを約束しない

ある通信業界関係者は、iPhoneの販売について、こう打ち明ける。

日本は、iPhoneが「実質0円」で販売される稀有な国だが、これはキャリアにとっては、実は相当に痛みが伴うものだ。

通信業界では、ユーザーに2年契約を結んでもらう代わりに、端末の売価を安くする仕組みを「サブシディ(助成金)モデル」と呼んでいるが、iPhoneではこれをアップル側に支払うのが特徴だ。米ダウ・ジョーンズによると、米国でのサブシディはiPhone5で1台当たり425ドル(約4万3000円)に上り、キャリア側が収益を得るまでに9ヵ月かかる計算だ。

国内の通信関係者によると、特にソフトバンクでは、実質ゼロ円にした無料分以上の額をアップルに支払っており、「端末販売だけでは赤字」という“異常事態”につながっているというのだ。もちろん、赤字覚悟の販売など、従来のメーカーとキャリアの関係ではあり得るはずもなかったことだ。

Diamond on line「アップルのニッポン植民地経営の深層(2)キャリアを悩ます“iPhoneブルー” アップル・通信会社支配の裏側

ホントに日本のキャリアの情けなさは呆れるくらいで、だから「がんばれdocomo、iPhone参入なんかするんじゃない!」とか野次馬的な記事を書いたりしてしまいます。
もっとも、消費者としての視点で見ればこんなことはどうでもよくて「どうやってお得な携帯電話契約が出来るか」という俗人なジブンです。

液晶パネル素材会社に勤める知人からここ数年のアップルを先読みできるくらいの情報は聞いていましたが、いまや「アップルのニッポン植民地経営の深層(1)“リンゴ色”に染まる巨大工場の苦悩 」で書かれている「ものづくりニッポン!」の情けなさの実態はニッポンを覆い尽くしています。