韓国・釜山のカラオケ店で「宇宙戦艦ヤマト」〜心情的に引くに引けない中国・韓国問題の象徴にも思えます
釜山国際映画祭開幕の前日、ジブンも現地で仕事を終え夕食の後「カラオケ」に出掛けることに。もともとレパートリーが無いというか、カラオケに出入りすることのないジブンですから、順番を廻されるたびに”困った...”なのですが、前者が”およげたいやきくん”に逃げた? のを眺めながら、昔の仕事絡みの「宇宙戦艦ヤマト」がなぜだか頭に浮かびました。しかしながら韓国のカラオケ店で「宇宙戦艦ヤマト」はかなり気が引けるのですね。一応アニメの由来をあーだこーだ言ってみたものの韓国の方は「全然問題ないです!」とか言い、ジブンでは”問題ないワケない”と思いながらも、結局ジブンでは一度も唄ったことのない「宇宙戦艦ヤマト」を熱唱することになりました。
もちろん気にしたのはこの艦にまつわるお話です
オープニングからして旧日本海軍さながらのアナクロチックなメロディーですから、店外に漏れ伝わってご迷惑をお掛けしないか心配になりながら、カラオケの歌詞が日本語と韓国語で大画面にデカデカ映るのを見るにつけ、古くさい昭和の郷愁と正義を鼓舞する日本人の男の子にとっては”気分の良い”テンポも、韓国の方にとっては”自分勝手に解釈した鼻持ちならん”歌詞と”おどろおどろしい”メロディーに聞こえるのではないか、と心配しながらの歌唱でありましたが、やんやの拍手でその後も盛り上がっていました。
初期の宇宙戦艦ヤマト、韓国では1981年に『宇宙戦艦V号』(우주전함V호)のタイトルで放送されているものの”ヤマト”を”V”に代え、もちろん設定も日本であることは伏せられて放映されています。
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「宇宙戦艦ヤマト」と「戦艦大和」をダブらせて解釈する韓国人は少ないのかもしれないし、そもそも関連づける情報がないのでしょうね。ただ故阿久悠作詞によるこの歌詞の内容は劇中設定によるものながら、宇宙戦艦ヤマトが”戦艦大和の特攻”をモチーフにしている以上、太平洋戦争の記憶にダブルのは否めません。
昔、宇宙戦艦ヤマトに関わったおりに反戦リベラル派と呼ばれるヒト達から結構な酷評や非難を浴びたことがあります。彼らの主張は明確です。「戦争は悪だ!」です。それはそれでジブンには狂気的に映った記憶があります。大抵の場合、戦争は正義と正義の対立がエスカレートして生じています。そして漫画やアニメのストーリー程に偏った正邪の戦いなどは存在せず、正義であろうとなかろうと主張の強い狭間には怨念が渦は生じるもんだと解することが出来るようになったのは、ずーと歳を重ねてから。「風立ちぬ」で宮崎 駿監督はその意に反して、反戦リベラル派や外国から戦争賛美に繋がるとバッシングを受けたり、「永遠のゼロ」原作者:百田尚樹から不本意にもエールを受けたりと、全くもって人の想いは旨く伝わらないものです。
今年の暮れにも宇宙戦艦ヤマトは復活します。なにも極右的でなくとも”愛する人を守る”という正義にいやおうなく共感する日本の男の子は多いでしょう。しかしながら”星巡る箱船、永き眠りより目覚めん”、”新たな敵”というキーワードが別の単語に置き換えられて聞こえるというヒトも少なくないでしょう。だからといって宇宙戦艦ヤマトを封印してしまうことの方が不健全であることは間違いありません。ガンダムが幾度も再生産されるように宇宙戦艦ヤマトは何度でも復活します。その度に韓国や中国でドキドキしなきゃいけない、というのは正しいことだと思えます。ヒートアップしない程度に何度でもお話できるきっかけは失ってはいけないから。