日々の雑感〜SEIKO TV WATCH〜”あるといいな”はそうでもない

”腕時計でテレビが観れる”を実現した製品が発売されたのは30年以上前の1984年、いまだにアップル・ウォッチにビデオ再生アプリを載せないのは恐らくバッテリー消費の問題が大半なのでしょうが、テレビ電話を実現した15年位前からそれがメインストリームになることはない現在よろしく、”あるといいな”の散々を見てきたジブンたちは、もはや古典SF世界の不毛を味わっている現代であります。

果たして10万円の価値があったかどうか当時の視点でさえも甚だ疑問ではありますが、世はバブルを謳歌する真っ只中、家電製品にも何でもありな勢いがありました。

35年前の集積技術ではチューナーを腕時計に押し込むこと叶わず、TV視聴時にチューナーを腕時計に有線接続してから覗き込むという間抜けな落ちなのですが、この時代なりに”あるといいな”の実現をマーケティング戦略だと勘違いして猪突猛進したのでしょう。

画して「腕から始まる21世紀のコミュニケーション」は、現状のアップル・ウォッチを通じてさえ見渡せません。

しかしながらwearable(ウエアラブル)端末としてのWATCHの可能性というのは、こんな幼稚な”あるといいな”ではなくて、たぶんまだ見過ごされている”あるといいな”のためにあるような気がします。