ラッジのコッタレス〜偉大なるRudge-Whitworth
我が家のマルキン自転車、先日来チェーンラインのブレが酷くなりケースに干渉するようになった。カラカラという干渉音はクランク周期で発生しているのでフロントスプロケットギアが偏摩耗でもしたのかな?と思っていましたら、ペダルを持ってクランクを回してみると...ゴリゴリガッタン...コッタレスハンガーかベアリングのトラブルです...
コッタレス外しが手元に無いのでどうしようかな~
ハンガーをバラすのは半世紀ぶりやねぇ...
妄想スイッチが入るきっかけはそんな時です
コッタレスとは
現在の自転車でフツーに使われているコッタレス・クランク、昔はクランクをハンガーに固定するのにコッターピンを使うのが主流でしたが、国内では60年代後半頃からコッターピンを使わないコッタレス・クランクが登場し現在に至ります。これはウンチク辞典のコピペではなく実体験というヤツ
当時カワムラサイクル・ダイバーを発注した際、実車は組み上がってるみたいなのになかなか納車してくれないので理由を尋ねに自転車屋に出掛けると、クランクを外す工具が届いていないと言う。
コッタレス・クランクリムーバー
当時はレーサーやスポーツサイクル車にまだコッタレスクランクは普及してなくて自転車屋で扱うことも稀な時代。当時小学生のジブンにそこまでの理屈を理解するのはまだ難しくて、単純にダイバーのは特別なのかと尋ねると「ラッジのコッタレスだからね」と聞いて「ラッジという自転車メーカーのコッタレスというクランク」のことだと随分長い間思い込んでおりました。
当時はラッジなんて自転車メーカーを知ってるヒトはまずいません。社会人になってクラッシック・モーターサイクルに「Rudge」を見つけて、昔は自転車も作っていたんだと知りやっと腑に落ちた気がしたものです。
毎月500km以上走っていたせいか、初期のコッタレスクランクだったせいか、ゴリゴリ感が出やすく、自転車のハンガーにグリスを盛ったり、ベアリング交換したりするのにコッタレス外しも買ってメンテする多分に珍しい小学生でした。
偉大なるRudge-Whitworth
”コッタレス”キーワードから妄想スイッチが入り、改めて「ラッジ・Rudge」をネット検索してみるとなかなか凄いメーカーだったことが判りました。
日本では「英国の自転車メーカー」としての認知は薄いようですが、いわゆるブリティッシュ・サイクルの老舗、そう考えると半世紀前の自転車屋のおっちゃんは相当マニアックなヒトだったのかもしれません。
Rudge-Whitworth
https://en.wikipedia.org/wiki/Rudge-Whitworth
1894 -1946
創業の自転車関連に絞って見ても先端技術のトップメーカーだったことがよくわかります。1世紀前の1900年代初頭には「コッタレス・オーバル・クランク」「フリー・ホイール」「前後リム・ブレーキ」「アルミリム」を搭載し、現在の軽量シティーサイクル並の重量(28’Wheel - 25lbs =11.4kg !)を達成したモデルもあったようです。
1930年代に現在のシティーサイクルにも通用するモデルがあったのに驚嘆
Rudge-Whitworth:1928 -1936推定のモデル
超軽量肉抜きコッタレスクランク
内装型変速機を搭載
実際のトコロ、コッタレス・クランクが Rudge-Whitworth社の発明だったのかどうかまでは判りませんでしたが、1世紀前にはあったんだねーと知ると半世紀前に最新自転車を買ったと浮かれていた小学生はなんて浅はかなマヌケだったんだろうと我ながら笑えます。
クラッシック・モーターサイクルとしてのRudge
現代の審美眼を持ってしても文句無しにカッコいいリジットレーサーを送り出したメーカー、というのがこれまでのジブンの認知でした。
.... コッタレス外し買って自転車のメンテしないと...
いっそシールドBBに交換するか...
また妄想スイッチが入りそうです