アップルの新戦略 iCloud 〜新しくない仕組みながらアップルだから意味がある

今年になってブレークの兆しが見えている「クラウド」というサービス。数年前からすでにサーバーサービス分野などではあたりまえになっている仕組みですが、APPLEのトップニュースになった「iCloud」で一躍注目されるようになりました。

未だ詳細なサービス内容は明らかではないですが、おおまかには既存の同期型オンラインストレージサービスと同様なサービスを提供する、ということで仕組み自体に新鮮味はありません。ただOS、端末、サービスのすべてを垂直統合型にアップル単独で手がけるトコロが「脅威的」と言われるゆえんです。

たっぷりを無料で」と発表されたサービスも実は「5GBの無料ストレージ」だったりで、既存のストレージサービスと横並びの内容にとどまっています。いずれ大容量有料サービスも始まるでしょう。そうですね同様の既存サービスと言えば「EverNote」「SugarSync」というのが国内では有名ですかね。ワタクシも「SugarSync」の60GBプランを使っていますが、外出先でのMACBOOK作業をクラウドに転送してくれたり、iPhoneからクラウドにある資料を見たり、クラウドから自宅のWinサーバーに自動バックアップさせたり、を自動運転してくれるので非常に便利です。

iCloudサービスがアップル製品向けの限定サービスなら「脅威的」とは言えないのではないか? 既存のストレージサービスにとっては大した問題ではないかもしれません。「脅威的」と感じているのは、コンテンツ販売で競合するアマゾン、グーグルですね。とりわけ音楽コンテンツではアップルが圧倒的なシェアを握っているおり、ここにiCloudサービスが加わると...

 

アップルが圧倒的なシェアを握ってしまうと、コンテンツ業界さえアップルの言いなりに成りかねません。実際に電子書籍をめぐる動きにも大きな影響をアップルは与えていますし、最近ではコンテンツホルダーに対してもアップルはやっかいな注文を多くするようになっています。すでに「過ぎたるは、なんとやら」の状況になっているアップルです。

こんどはユーザーにアップルは注文をつけてくるような気がしています。危惧に終われば幸いです。