デジタル遺産の残し方を考えてみた〜不滅は無いが限りなく普遍はある
いろんな生活事の契約はほとんどID/PASSで済ます世の中になり、ちょっと高級な契約事に付加要求される身分証さえマイナンバーで置き換えられつつあり、それさえもID/PASSで済ます勢いの世の中です。デジタル遺産の継承に必要なのはもはやID/PASSだけでも成立しそうですが、現物のデジタルデータという奴を死後にも残すには幾つかの心配事がつきまといます。
死後継承のID/PASS管理フォーマット
重複するID/PASSを避けて無限とも思える権利資格や契約事のID/PASSを管理するには専用のID/PASS管理アプリもしくはOS付随の機能に頼らねばならない現状ですが、パソコンは日々更新されるシロモノでうっかりしている期間が長くなると全く機能しなくなったり使い物にならなくリスクを常にはらんでいます。
テキストの取扱だけはデジタル化以降ほとんど基本フォーマットが変化していませんしベーシックなシロモノだけにこの先当分はこの体系が大きく揺らぐことはないと思われます。また同様にネット空間には既にHTML言語で書かれたコンテンツが30年あまりで膨大に蓄積されていますから、これを大幅に変更して書き換える訳にもいかないとすれば、HTML/テキスト体系のフォーマットがイチバン安心してデジタル遺産継承に使えるシロモノと言えます。
幾ら”無限にも思える”権利資格や契約事のID/PASSと言えども、死後にも継承が必要なモノと限れば予想を遥かに下回って極僅かに過ぎないものです。
大昔にFileMaker Proを使ってID/PASSを管理するテンプレートを作成した事がありましたが...前述のとおり一過性の便利アプリに過ぎないと、現在はローカル環境にWordPressで専用テンプレートを作成、定期的に静的HYMLベース書類を吐き出させてcloud上にアップロードさせております。
デジタルデータの置場所
一昔前まではHDDやCDR等の器に詰め込んでおけばいい...などと考えたものですが、いまやそれが最もリスクが高いシロモノであることは知っています。 かと言ってcloudにしまっておけばもう安心という訳でもありません。所詮はcloudも借り物ですから金の切れ目が縁の切れ目というリスクを常にはらんでいます。ジブンはpcloud に”買切り”のcloudを所有することにしました。果たして自分の死後も永々と契約が守られてcloudが存在出来るかは怪しいですが、サブスク頼みのcloudと連携する2重バックアップにしておけばかなりリスクを軽減出来るだろういう気休めでもあります。

デジタルデータの取捨選別
現在通用している”jpeg”や"mp4"というフォーマットが将来的にも生き残っているかは甚だ疑問でもあります。80年代 Apple Macintoshで"標準"のように使われていた画像フォーマット”QuickDraw Picture(PICT)”は現在、Apple Macintoshではサポートが打ち切られ表示することさえ出来ません(特別なサードパーティー製アプリで一部表示可能)当時の「QuickDraw」と「QuickTime」が機能連動した圧縮フォーマットが使われたPICTバージョンだと当時のMacintosh/OS環境が必要な場合もあります。
その他、特定のアプリ固有のフォーマット書類は、年を経てある意味”死んだも同然”なシロモノがゴロゴロというケースも多く、永々と続いているMicrosoft製品でさえ10年以上昔の同フォーマットでは正確に表示再現出来なかったり「読み込めません。無効な書類です」と拒絶されたりします。
前述の通り、HTML/テキスト体系のフォーマットがイチバン安心してデジタル遺産継承に使えるシロモノと言えます。
次世代画像フォーマットとしてじわじわ来ている”WebP”やさらに進化する”AVIF”ですが、前述のとおりネット上に溢れるHTMLベースのコンテンツ資産に使われている”jpeg”が一気に丸ごと破棄されるとは考えにくいし、同様に"mp4 (H264)"のフォーマット・サポートはしばらくの間、少なくともジブンが生きている間くらいは続いてくれてる可能性は高いと踏んでいます。まぁ次世代フォーマット普及期が早まれば一括フォーマット変換すればいいか...


