ウクライナ・クリミア半島〜お金の問題〜日韓通貨スワップ再開か

ロシアの軍事介入に端を発したとメディアが伝えるウクライナ・クリミア半島問題、「武力による現状変更を決して認めてはいけない」という旗振り役の米国に追従してしまう日本は、安部さんが「ウクライナに1500億円の経済支援」を発表。

この問題を一昨年あたりのウクライナ情勢まで掘り進むと、メディアがちゃんと伝えない実際や諸問題、果てはオカルトチックな米国謀略説まで転がっていますが、とりあえず”お金の話”に焦点をあてて考えてみます。

 

"世界秩序"に反旗を背負って立つプーチン大統領

 

1991年ソビエト連邦から独立したウクライナは、オレンジ革命を経て”ユシチェンコ”なる人物に西側経済寄り政治の舵取りを任せることになるのですが、2008年の世界恐慌を機に経済は急速に悪化、ウクライナの政府債務(借金)は総額700億ドル(約7兆円)超に達しています。

ウクライナの政府債務残高の推移

ここまで貸し込んでいる主な債権者は IMFです。

2010年大統領選挙では一転、ロシア寄りのヤヌコーヴィチ政権となったが経済は好転せずデフォルト(国家破綻)寸前の状況で、ロシアから総額150億ドル(約1兆5千億円)の支援(2014年の債務返済分プラスα相当額)を受けようとする直前、またしても民主革命(クーデター)が起こり、西側寄り暫定政権となり現在に至っています。

オレンジ革命にしろ今回の民主革命にしろ、アメリカの後ろ楯なり、組織なり、NGOなりが活発に動いていたのは明らかで、ロシア寄り政権誕生時に”選挙違反!”をあからさまに連呼しておりました。「ゴタゴタを仕掛けては金儲けを企む人達の仕業である」というヒトも少なからず居て IMFは主導権をロシアやロシア寄り政権に渡すワケにはいかなかった...とか。

いまは”ロシアのクリミア問題”にだけ焦点があたっていますが、ウクライナの債務(償還)問題はなんら解決してはいないわけで、安部さんの「ウクライナに1500億円の経済支援」は返してもらえないカネだし、誰に渡るカネなんだろ...と思うわけです。

そんな IMFがらみの国と言えば...

「2013年、韓国は貿易収支で日本を抜いた」とかお馬鹿な話題が流れていましたが、その韓国も今年満期を迎える外貨建て債券が298億ドル(2兆8000億円)このうち上半期は月平均33億ドルの償還があり、4月(44億ドル)5月(42億ドル)を果たして乗り切れるのか?という噂話も聞こえてくるほど韓国の台所は火のクルマです。

26日未明におこなわれる日米韓首脳会談、実はもっとも重大な議題はこの問題ではないか、とも言われる所以で「日韓通貨スワップの再開(事実上の日本の借金肩代わり)で手打ち」が織り込まれるともささやかれています。

いちばん得するのは IMFです