日々の雑感〜貪愛瞋憎なクソ社会〜”14歳からの社会学” 宮台真司
”失われた20年”とか言われるのはあくまで経済的な金回りのお話ですが、この混沌を無理筋にでも変えようとしているのが安部政権。円高誘導と疑似インフレターゲット、消費税増税と各種控除打ち切り、大企業減税と中小企業増税と”景気回復のため”に邁進、ただ活力なき時代のなかでもそれなりに20年掛けて低空飛行な安定を構築して来た庶民にとっては(あくまで近視眼的に)大迷惑、そんなことさえそもそも前世紀の栄華を知らない20代の若者にとってはなんの話?と対岸の騒動に見えるらしい。
ただ貪愛瞋憎な心証を世間に醸成するにもじゅうぶんな時間だったとは言えます。
ジブンと同世代の宮代信司氏(社会学者:1959生まれ)は、90年代中盤、”サブカルチャーとしての援交”と”オウム真理教”にまつわる著作で世間から注目されました。社会啓発〜オトボケ著作も含めて底流の「形式と作法」にネチっこい思考はなお健在です。
RealSound"私たちはどこから来て、どこへ行くのか"対談からの抜粋
宮台「90年代後半、社会全体がスーパーフラット化した」・・・・僕は、損得勘定に留まる動機を〈自発性〉、損得を超えて内から湧き上がる力を〈内発性〉と呼びます。そこら中から〈内発性〉が消えて〈自発性〉が専らになった社会が〈クソ社会〉。僕らの周囲に拡がっています。
ところが、僕らと違い、若い世代は〈クソ社会〉しか知らないから、それが〈クソ社会〉であることすら意識に昇らない。だから〈社会〉から〈世界〉へという志向もなくなってきています。・・・・ むろん僕らには〈クソ社会〉しかない。だからこそ〈クソ社会で見る一瞬の夢〉なのに今は志向されない。僕のフィールドでは性愛がそうで、日本の恋愛映画もクソ。安心・安全・便利・快適など馬鹿げたニーズだらけです。 |
"波風立たない低空飛行な安定人生を思考してたら<クソ社会>になった"と言えなくもないですが、概ね「二輪ユーザー 平均年齢は52歳!〜”バイク小僧”なんてどこにもいなくなった 」と同じく若者からは”ノズトラジックな想い”と一蹴されてしまいそうです。
2008年刊 「14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に」で宮台真司が語った話は現在進行形ではありますが、確かにいまや〈クソ社会で見る一瞬の夢〉さえも消えた感がありますねぇ...。