日々の雑感〜ありえない設定の嘘とホント〜

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一笑に付される話

10月14日スタートした相棒14では、放映前から揚げ足取りのおせっかい記事「制作陣の“無知”が生んだ相棒14」もありましたが、番組中では”一笑に付された”部分に荒っぽい(視聴者には意味不明な)フォローが挟まれていました。ドラマの「ありえない設定」を論ってほくそ笑む輩の話ほど愚かしいことはありませんが、その実際に興味を引かれるというヒトも確かにいるのですね。

ドラマ中の囚人暴動などは実際に照らせば”一笑に付される”話ですが、刑務官の囚人いじめは実態が報道されたこともあるし、実際の刑務官から見ても”目の敵”と言っていいほど”ソリの合わない連中”はいるらしいです。

 

ありえない話

ジブンが30年以上前に卒業した職業訓練大学校(現:職業能力開発総合大学校)では卒業成績優秀順に刑務官選抜勧誘が行われ、希望すれば面接等の手続きだけ(詳細不詳ながらいわゆる国家公務員上級試験選抜とは別途に)で国家公務員上級乙種が付与され刑務官採用されるという仕組みが存在していました。(現存するかは不明)

当時所属科12名の卒業生のうち3名が刑務官として任官しました。ただ世はバブル前夜の登り坂景気でしたから、成績優秀な人間が ”そんな美味しい話”に飛びつくワケでもなく、それなりに順番が廻ったヒトが希望したと記憶しています。いまではそんな話のほうがよほど「ありえない設定」な気がします。

 

ありえない設定とリアリティー

ドラマでの過剰な演出とは言え刑務所というところは、刑務官のベテラン曰く「規律という同調圧力が厳しい職場」ではあるらしく若い頃は息苦しいと感ずることもあったようです。よく言われる「規律と仲間意識が信頼を醸す」というのは錯覚ですが、当面の問題解決を共有するには「規律と仲間意識と相互監視」が必要であったりします。

そしてドラマでは頻繁に「規律と仲間意識と相互監視」の上っ面を突き回し、犯人像が二転三転するのも所詮”腹の底”は信頼に程遠いどす黒さにあった.... と揶揄する展開です。視聴者にも心当たりがあるのでしょうね...「ありえない設定」の背景になんだか共感したり恐れたり気持ちがザワザワするのでしょう。

そんな気持ちの動きにリアリティーを感ずれば、多少の「ありえない設定」は問題ないさ〜 ということでしょう。

 

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