日々の雑感〜我が家の通販サイト利用〜マネー戦争

我が家では日々の生活消費財、食料品調達と服飾品を除けば、殆どのジャンル製品の8割方は通販サイトを利用しております。とりわけアマゾン、ヤフー、楽天の利用率が高いのは世間並みですが、10年前に比べるとその利用頻度比率は下図のとおりです。

大きく変化した楽天→ヤフーショッピング(ヤフオク)

アマゾン〜すぐに届いて送料込み、生活家電には最安値商品も多い

10年前から生活家電商品に限ってはアマゾン利用が圧倒的に多いです。
いろんな場面での「すぐ必要」に答えてくれるアマゾンは「当てに出来る」という安心感があります。最安値商品も多く送料負担が無い、コンテンツ・サービスを含めて有料プライム会員のバリューは凄く高いです。

アマゾン直営部分と店子販売部分が共存していますが、見てくれと手続きが洗練されているので、買い手が戸惑うことも少ないです。楽天・ヤフーに比べて大家さんのアマゾン統治が徹底されてる感がイコール信頼感につながってます。レビュー・ランキング等を購入動機の参考にしてもいいかな、と思わせるのもそんな背景があればこそです。

店子さん的にも出店開業しやすい平易なシステムで、個人出品も容易です。ただし良くも悪くも窮屈、融通の効かないアマゾン統治を徹底させられるので、商売する側に向き不向きは生じます。

 

楽天市場〜変わり映えしない建増アパート、もはや信頼感は無い

20年前に国内で初めて成功した店舗モール・サイト。楽天が大家さんで店子をたくさん抱えている長屋みたいなモンですから、基本は店子さんの頑張り頼みです。楽天成功のイチバンは、ネット通販も黎明期にセミナー開催で店子さんを実地教育・指導していたコトです。モールシステムとしては稚拙でも肝心の店子さん集めに注力した三木谷さんの商才です。

ただ稚拙なモールシステムに買収した会社を建増ししただけのような雑多さ加減は20年経っても洗練されず、相変わらず検索精度も”酷いなぁ”くらいです。それでも「ひとつひとつのお店が独自に特色を出して」大家さんが音頭取りのバーゲン祭りは一時期大盛り上がりで、それこそいろんなモノをネット通販で買ってみようという原動力になりました。

ただ家賃高めの大家さんは放任主義ですから当然、そんなモールの店子さんが売る商品は割高で、配送期間・料金もまちまち、サービス内容もバラバラなのでトラブルも多いです。「ひとつひとつのお店が独自に特色を出して」運営しているワケですからそんなコトは当たり前なのですが、そこに楽天市場としての信頼感なんてありません。

 

ヤフー・ショッピング & オークション〜楽天と何が違うのか...

モール(ヤフーショッピング)としてのサービス内容は楽天市場と大きくは違いません。
表面上の洗練さで言えばアマゾンと楽天の間ですが、ヤフーが提供している決済システムの複雑さはイチバン。選択肢が多彩とは言えるかもしれませんが、利用者も店子さんもちゃんと理解する必要があります。店子さん的には家賃が楽天市場より割安なので、併設出店しているお店では同じ商品の販売価格が割安だったりします。

売って、買って、得をする

最近では....
ヤフーは「有料サービス付加」に加えて、確立されているヤフーオークションとヤフーショッピングを組み合わせて売上金還流・収益金還付サービスを展開して利用者の囲い込みをはじめました。いわゆる「ヤフーマネー」です。これにTポイントを介してネット以外の店舗でも使える・貯めるが出来るヤフーカードと連携させてお得感はかなり高いです。

さらに預金口座と紐付けられたデビットカードのように「自動チャージ〜預金払い」機能も付加できるので、いつでも現金払い系のヒトも使いやすいやもです。

「マネー」戦略

カラクリ的には楽天もヤフーも同じようなサービスを展開しているのですが...楽天市場の場合は、あまりに雑多過ぎるのとお店によってサービスの均等を欠いているのでお得を実感しづらい(使うのがややこしい)と感じてしまうし、あれほどCM垂れ流しの楽天カードも、楽天市場での決済以外にはジブンは海外渡航前の免税店でしか使いません(渡航保険が自動的に掛かる)そして「楽天マネー」が成立しない決定的な理由は「利用者のインカムが生じない」コト。楽天にも楽天オークションが存在しますが規模があまりに小さく利用者がマネー運用を意識するほどの流通量がありません。

その市場枠組みだけで出入りをコントロールできるから「マネー」であり、その市場でインカムを調達できるから「マネー」、なにより利用者が動かせる額もポイントの比ではなくなるので「マネー」を意識します。なにより金融機関を介さないので利用者は手間も手数料も不要、且つ「マネー」がサービス還付されるのだからお得感をいやます刺激する理屈です。

そんな戦略的な「ヤフーマネー」の理屈ですが、利用までのステップが難解だし物々交換を「ヤフーマネー」を介してやってる感でもあり「マネー」として通用するサービスも限定的と、まだまだ洗練された仕組みとは言えません。しかしながら金融機関の預け入れ金利がゼロな時代ですから「ヤフーマネー」を介して利用できるサービスが広がれば、実質的にけっこうな「マネー」金利を得られる仕組みになります。

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アマゾンでも「アマゾンマネー」を模索していると言います。
確かにアマゾンで個人出品・販売するのは容易なので、利用者がインカムを得る仕組み自体は成立しています。しかしながら混濁するであろう販売状況が拡大するのを(購買する立場としての)利用者自身が歓迎するとは思えませんし、アマゾンの統治を受け入れられるヒトも多くはない気がします。「アマゾンマネー」を成立させるにはヤフーの「売って、買って、得をする」戦略とは違った仕組みが必要でしょう。