Chandler Project〜早すぎたオープンソースの夢〜ミッチ・ケイパー
古い本達を整理しているうち「プログラマーのジレンマ 夢と現実の狭間」(2009)が出てきました。ジブンはこれまで一度も”プログラマー”として仕事を引き受けたことはありませんが、結果的に”プログラマー”らしき役割でプロジェクトを担当したり、実際にプログラムを書いたりすることが多かったので、プロダクトマネージメントの目線でこの本を読んでおりましたが、よく似たエピソードを経験していたので非常に面白かったと記憶しております。
なによりこの本の舞台「Chandler Project」は、あのミッチ・ケイパーによるもので、いまではGoogle等であたりまえのように使われる”オープンソース”を目指していたトコロに当時は何やら運命を感じておりました。
ロータスデベロップメント設立者/ロータス1-2-3開発者/OASF(オープンアプリケーション財団)創立者などなどの華々しい肩書きを持つミッチ・ケイパーが、同じく華々しい経歴を持つ天才プログラマー達(Mac OS開発者のアンディ・ハーツフェルドや、ネットスケープ創業時メンバーで「クッキー」考案者のルー・モントゥリなど)を集め、「チャンドラー(Chandler)」というPIM(Personal Information Management、個人情報管理ツール)の開発に乗り出すが、やがてプロジェクトは迷走を繰り返すことになる。
-引用:【書評】プログラマーのジレンマ
-引用:【書評】プログラマーのジレンマ
ミッチ・ケイパーは、最初の表計算ソフトVisiCalcの開発元であるVisiCorpで開発部門のリーダーを務め、当時プログラマーであったジョナサン・ザックスと共にLotus社を設立、独立系ソフトウェアベンダーで世界トップに登りつめる原動力になる Lotus1-2-3を1983年にリリースしました。
ジブンのパソコン履歴の中で「HyperCardのためにMacintoshを買った」は言い過ぎかもしれませんが、98note ns(1990 NEC PC-9800シリーズ初のA4 Note PC)は、まさにLotus1-2-3をフルに使うために買ったパソコンです。
最終的に「Chandler Project」は頓挫してしまうのですが... ビル・アトキンソンのGeneral Magic と同じく、それでもなお挑戦する好奇心と野心の昂ぶりというのは若さの特権であると思ったモンです。