ソフトバンクの”なんちゃって中小事業者商法”〜接続料差損にNTTドコモは怒り心頭らしいが、利用者から言えば「がんばれソフトバンク!」なワケ

日本経済新聞電子版に”ドコモが怒ったソフトバンクの「裏技」”というタイトルでずっとくすぶる通信事業者間の接続料金格差についての記事が掲載されていました。要約しながら中身を見ていきます。そもそもの発端は,,,

NTTドコモ携帯を持つあなたがソフトバンク携帯の友人に電話しているとき、NTTドコモはソフトバンクにせっせと「接続使用料」なるものを支払っています。友人があなたに電話するときはその逆で、ソフトバンクがNTTドコモに「接続使用料」を払います。行って来いで問題ないようにも見えますが、この「接続使用料」は接続先通信事業者の”言い値”で請求され、通信事業者によって金額が違います。今回の”NTTドコモは怒ってるぞぉ”は、ソフトバンクが請求している「接続使用料」が高すぎる!なんかごまかしてる!と言ってるわけですね。


日本経済新聞電子版より

2009年まで「接続使用料」は設備投資やら営業経費やらを混ぜ混ぜにして携帯電話台数で割って...とかしながら各社が積算根拠を作って役所(総務省)に申請していましたが、2010年からは営業費用を原価に含めないとの取り決めで「接続使用料」が値下がりしました。しかし「接続使用料」格差がかえって拡大しちゃって、NTTドコモはソフトバンクに対して100億円規模の支払い超過になっているらしい。

(接続料差損で)
ウチは不当に損してます。
=ドコモ利用者は損してますよ。
=サービスに支障がでるかも
=料金も見直すかも

(接続料差益があるので)
ホワイトプランでいろいろタダ!
ホームアンテナもタダ!
もっといろいろタダにしようかなぁ...

あくまでマスコミの問題キャンペーン論調です。

そもそもソフトバンクの「接続使用料」は不当に高いのか、というと
各社が決算で公表している携帯関連の設備投資額から推測すると、ソフトバンクはドコモやKDDIに比べて圧倒的に少ない。例えば09年度実績でドコモが6865億円に対し、ソフトバンクモバイルは1848億円と1/3以下。
2009年までは 「シェア25%に満たない中小事業者は積算根拠内訳の提出義務を負わない」だったので「接続使用料」やその内訳は非公表で、現在も詳細部分についてはなお明らかにしていないらしい。

ソフトバンクは今回接続使用料格差が広がったことについて
飯島洋渉外部担当部長は「ドコモやKDDIはこれまで繰り入れていた営業費用を除外したので安くなって当然」「(ドコモやKDDIが使う)800MHz帯周波数と(ソフトバンクが主に使う)2GHz帯では電波の飛ぶ距離が倍近く違い、1つの基地局でカバーできるエリアは面積比で約4倍の開きがある。さらに、事業規模が大きくなれば設備の利用効率も高まるので我々はハンディキャップを背負っているようなもの」

 
日本経済新聞電子版より

携帯電話シェアをみると、いまやソフトバンクは ”なんちゃって中小事業者”な規模にまでなっていますが、ガリバーであることに変わりありません。この格差問題、解決したとして利用者にメリットはひとつもありません。だから無責任な野次馬からの視点としては、自由競争で繁栄を謳歌している企業ならではの泥試合に期待しています。がんばれソフトバンク!