つれあいの特殊な耳にも心地よく鳴る密閉型モニターヘッドフォン〜可聴域をフラットに鳴らすOneOdio Pro 10

ウチのつれあいが10年前から愛用していた audio-technica製オーバーイヤーヘッドフォンがけっこうにボロボロなので買い替えです。「常人には聞こえない音が聞こえる ※」ウチのつれあいの特殊な耳(鼓膜)は意外にへっぽこで、「常人にはフツーに聞こえる音が聞こえない」らしい。

※両耳とも骨膜を使った鼓膜再建手術でどうやら骨膜が薄かったせいか聞こえ方がフツーのヒトと違って、高周波域の音がフツーの人より聞こえるらしい。結果、10件離れた家屋で鳴ってるピアノの音、ゆうに100mは離れたところにある欄干に風で吹き付けられて当たるロープの打音、草むらでささやくほどのコオロギの羽音が聞こえたりします。ジブンには全く聞こえませんが...ジブンの耳が常人並かどうかも定かでないので確たるコトが言えません。
ただウチのつれあいの場合、難聴者認定並に落ちた聴力が常人並に回復したり”フツーはあり得ない”と医者に言わせる持ち主だし「耳のツボを押すと聞こえる音のボリュームがブーストアップする」特技も併せ持つ、やっぱり特異な耳の持ち主であるのは確かです。

「常人にはフツーに聞こえる音が聞こえない」らしいことも解っていたので、オーバーイヤーヘッドフォンの選択としては、特定ジャンルで一般ウケしやすいドンシャリに鳴るタイプではなく、なるべく可聴域をフラットに鳴らすモニターヘッドフォンを選択しました。

OneOdio ヘッドホン 有線 マイク付き 50mmドライバー DJ用 モニターヘッドホン 二穴接続 レコーディング/録音/楽器練習/在宅ワーク/ライブ/DTM/音楽鑑賞
OneOdio

ウチのつれあい曰く「10年前のより断然イイ!」昔ン万円した製品より3000円ソコソコの中華製の方が良く鳴るという現実。ジブンもクリアで音域が広いヘッドフォンだと感じます。技術の進歩ですね。その代わり見てくれはプラスチッキーで高級感はありませんが、個人で楽しむモノ全く問題ありません。
聞こえなかった音が聞こえる!
音の解像度に優れるのと、どうやらつれあいにとって聴き取りにくい周波数域の音もフラット化で持ち上げられて聞こえるようになるらしい...新たな発見です。

併せて音量調整アダプタ、iPhone/iPadでも使えるように変換アダプタも購入

このヘッドフォンを選択した理由のもう一つが「2つの音源ソースから同時に音が拾える」こと。Mac/DAC経由で音楽を聞きながら、もう一方をiPhoneに繋いでおけば着信、通話も出来ます。だからLightning変換アダプタもマイク、音量調整等のプラグ&プレイ対応製品を選択しました。※安価な変換アダプタだとマイクが使えなかったりします。

 

各シリーズの違いは下記のとおり解説があります・

Pro-10:音はフラットに偏った。
    再生周波数帯域【20Hz~20kHz】
Pro-30:Pro10 + 高弾性クッションを採用された日本製イヤーパッド(厚さも2cmから3cmに変更) 再生周波数帯域【20Hz~20kHz】
Pro-50:Pro30 + Hi-Resレベルの高音質 Hi-Res認証
    再生周波数帯域【20Hz~40kHz】

価格も大きく違わないシリーズ、Hi-Res認証があるPro-50がお買い得な気はしますが、イヤーパッドの質感はけっこう違いそうなので、個人差が大きい装着感の差は買ってからのお楽しみです。ただ安価な老舗印の日本製品より確実にコスパは良さそうです。

驚きは昔購入した Lepai LP-2020A+ デジタルアンプ のときに匹敵するやも...

現在mac miniで利用中のUSB DACはこちら

 

ハイレゾ音源を聴くには力不足なのか?

ハイレゾ音源のなかには192kHzというサンプリング周波数でデジタル化されたモノもあります。Pro-50シリーズでさえ「Hi-Res認証」を持っているからと言ってもスペックは再生周波数帯域【20Hz~40kHz】でせいぜいCD収録音源のサンプリング周波数をカバー出来てるかどうか...とオタクな疑問が湧きます。

しかしながらこれはシロウトの発想。再生可能な周波数というのは、サンプリング周波数の1/2に過ぎません(標本化定理 参照)から、一般の人の可聴域に相当する再生周波数帯域【20Hz~20kHz】のヘッドフォンでもサンプリング周波数44.1kHzのCD音源を聴くのに十分なスペックと言えます。同様に96kHzサンプリング周波数でデジタル化されたハイレゾ音源ならば再生周波数帯域【20Hz~40kHz】のヘッドフォンでほぼ再生音域の周波数をカバー出来てると言えます。

「それでもフルカバーされてないんだ...」と更なる欲求も出てくるし、冒頭の「192kHzサンプリングのハイレゾ音源」再生には全く力不足!...と嘆かれるヒトもおられるやも...

そもそも20kHz以上の音は、常識的な人の可聴域を超えた音、つまりは通常聞こえない領域の音ですが「この領域に真の音像がある」とフォーカスする「ハイパーソニック・エフェクト」信者の領域の話になってきます。オーディオカセット(アナログ記録磁気テープ)の再生音に感ずる音像や余韻には、磁気テープに記録されている倍音周波数や第三高調波のアナログ再生によるところではないか...とか大昔に考えたこともありますが、実際のトコロそんなモノ考えながら製品づくりしてた仲間は皆無だし、現在でも解明などされておりません。

 

音...みんな同じように聴こえてるワケではない

20代の若い頃にしか聴こえないと有名な「モスキート音」の周波数は17kHzくらいで、一般の人の可聴域上限にあたります。果たしてあなたはどれくらいの音が聴こえていますか?

10kHz Sound


12kHz Sound

14kHz Sound

16kHz Sound

20kHz Sound

22kHz Sound

ジブンには12kHzの音までしか聴こえません。それだけでもたぶん若い人達の音楽の聴こえ方とジブンのそれはニュアンス以上に違っているやもしれません。そしてウチのつれあいは16kHzの音が聴こえます。さらに20kHzでも音以外の感覚として感知しています。

つれあいにヘッドフォンで上記の連続可変音を聴いてもらうと...
ある周波数域で急に聞こえなくなるスポットが存在します。それも左右の耳でスポットが異なるという不思議。両耳の鼓膜再生手術とも通常の術式とは異なり骨膜をWフェイスで使用するカスタムな耳を持つウチのつれあいの聞こえる音の世界は冒頭に書いたとおり独特です。

マツダ車のSKYACTIV-Dは、ナチュラル・サウンド・スムーザーを搭載して”世界一静粛なディーゼル車”と世間一般では評価されていますが、ウチのつれあいには「カチカチいうディーゼルノック音がうるさい!」とマツダの営業マンにダメ出ししたこともあります(何故か騒々しい三菱のディーゼル車では気にならない)

「ハイレゾ=イイ音」という等式は成り立たない、というワケでもありませんが、ヒトの耳にはそれぞれのスペックがあります。聴こえ方もいろいろなのだと解ると、Hi-Fi(原音再生)幻想はカンタンに行き詰りますが、心地よい音を求めて悪足掻きする旅というのは尽きることがありません。

大きなお世話な話でした。