10年ぶりの福岡・博多は緩さが心地よい街でした〜ふるさとは遠きにありて想うモノ

板付・福岡空港に設置されてるウェルカムボード

「不義理解消の行脚旅」と題して3泊5日の福岡・博多に行ってきました。それぞれ10年ぶり、20年ぶりの親戚や同級生巡りと40年ぶりとなる小学校の同窓会にも出席いたしました。妹一家のトコロにも「激走2,500km! カングーで九州遠征旅行」以来なのでほぼ10年ぶりと言えます。半世紀前に郷里:福岡をあとにして関東に飛び出て以来、神奈川、栃木。茨城を転々としてやっと埼玉に落ち着いて20年以上となりますが、埼玉県人には到底成り切れないジブンです。

半世紀前に暮らしていた街、家を観に行ってみましたが...まるで判りません。
田んぼであった場所は住宅で埋まり、2車線道路は4車線に拡張され、見知っていたハズの景色の欠片も見つけられません。福岡市の至るトコロが再開発され廃れてまた再開発中といった感じで、市内を廻っても半世紀前の頭に残る面影を見つけることは出来ません。Google Mapで事前に判っていたつもりではいたのですが、実際に降り立つと他所の土地以外の何者でもないんですよねぇ...

 

忘れじの変わらぬ場所巡り1:福岡陸軍墓地 

幼少期に走り回った六本松の陸軍墓地(谷公園)に行ってみると...ここだけはタイムスリップしたように変わっていませんでした! 元々国有地、福岡市管轄といえどおいそれ手を入れること叶わぬ場所というトコロだからでしょうか。

板切れにロウを塗って最上段から滑り落ちる遊び、今風に言えばストリートのスケボーみたいな真似を連日、膝を擦りむきながらもしつこく繰り返す幼稚園児でした。

バチあたりにも夏場に行水していた場所もそのまま残っています。
背後に見える木によじ登って遊んでおりましたなぁ...
よく見ると昭和11年献奉と見かけによらず古いシロモノ。

日清・日露戦争〜大東亜戦争に至るまでに傷病死した兵隊さんを祀る大日本帝国陸軍の墓地であります。恐れ多くもどれほど遠くから石を投げて石碑に届くかを競う幼稚園児でもありました。

実感縮尺は異なれど不思議なほど半世紀以上昔の風景に合致する場所でした。フツーならこんな場所・公園には「火気厳禁」「禁煙」「木に登るな!」「ボール遊び禁止」等の注意書き看板がそこら中に立てられているのが常なんですが...この場所には一切が見当たりません。何も変わっていないのは、たぶん々国有地にある旧大日本帝国陸軍の墓地、福岡市管轄といえどおいそれ手を入れること叶わぬ場所というのが幸運なのか関係しているように思われます。

忘れじの変わらぬ場所巡り2:筥崎宮 

ジブンが生まれた馬出町(まいだし)の家は、福岡市東区にある筥崎宮の参道脇にあったらしく親戚から当時の住所を聞いて訪れても、元々古すぎてジブンの記憶にもありません。
しかしながらそれから幾度も参拝にあがった筥崎宮、現在つれあいの調子が悪いので参拝と御札、お守りを買い求めにやってきました。

参道口にあった大鳥居は無くなっております

早朝だったせいか犬の散歩してる人が多かったです。9時前ゆうに100名を超える福岡県警の警察官が参道配備、路地裏に続く角々や地下鉄の入り口にも3人づつ立ちんぼが出るものものしさ「ああ、誰か来るんだね..」と警察官に聞いてみても教えてくれるワケもなく。

神門に掲げられる「敵国降伏」の扁額は、元寇の際に亀山上皇が「敵国降伏」を祈願したのに由来するそうな。また元の軍勢を迎え撃つ当時の侍衆による日本軍の本陣が置かれた筥崎宮です。

アンゴルモア~元寇合戦記~より抜粋

いろいろ詰めツメのスケジュールの合間に中洲・屋台でラーメン、もつ煮... 腹が膨れて一服したいときは離れの川岸に灰皿ボックスが100m間隔くらいで設置されています。福岡市内のコンビニにも灰皿ボックス、昔程では無いにしろ適度に喫煙スペースが街なかにも確保されているからなのかその割に喫煙者が群がってる光景もなく、非喫煙者から侮蔑の目が向けられることも無いです。そう言えば筥崎宮の参道近辺にも灰皿ボックスは無いながら、禁煙等の注意喚起看板は無くて参道脇を外れた場所で、警察官と立ち話しながら一服させていただきました。

福岡市(343 km²/148万人)は、さいたま市(217.4 km²/130万人)と同じくらいの人口ながら、1.5倍の面積の割に地下鉄が出来て都市高速が出来て...というのもありますが、昔から海に山に街にアクセスするのにメリハリが効いてるせいか、随分と小さめなコンパクトシティーに感じられます。だからなのか関東平野の真ん中にのんべんだらり広がるさいたま市の方が随分と広い田舎に感じられたりします。しかしながら実際のトコロは、人の流れもクルマの流れも電車のあり様も東京近接のさいたま市の方がウンザリする程多くて、東京都心より随分とマシながら四角四面なギスギス感も強めです。

あらためて福岡はイイなぁ...と思いますが、もはやジブンの見知った街の景色は無いというのも実感。両親が他界して随分経ち実家が無くなって足が遠くなってしまった感もありますが、もう郷愁だけで故郷に帰るという選択はありません。まさしく「ふるさとは遠きにありて想うモノ」になりました。それでも旧知の友や縁者が居るうちは郷里を尋ねる意味はあるなぁ、とも実感する今回の出張旅でした。