オートマRCそれは本田宗一郎、最後の夢だった〜RACERS:'90-'91 RC250MA〜

先月号「RACERS vol16〜逆襲のスペンサー」の巻末ページに「来月はホンダRC250MAやります」を見つけてからは結構ワクワクしておりました。1990年、突如出現して全日本モトクロスを席捲したかと思うと翌年末には忽然と消えて跡形も残さなかった謎多き「オートマモトクロッサー:RC250MA」の全姿が20年ぶりに明かされるというのですから...

RC250MAのオートマチックミッション:HFT

読み終えて...
今号「RACERS vol17 オートマRC。それは本田宗一郎、最後の夢」はシリーズ中いちばんオモシロイです。
一般読者にはかなり難解な解説であろうと思われるオートマチックミッション:HFT、読んでるジブンも「これは相当なコストが掛かるなぁ」などと昔のエンジニアな頭に成ってました。どうりで市販化できないわけだと勝手に納得できましたモン。

舞台裏である研究所開発担当者に加えてオートマRCを託されることになったライダーの葛藤と現場のドタバタ劇もけっこうに楽しめました。当時のスーパースターだったリックジョンソン、ジャンミシェルバイル等アメリカンライダーのコメントがなかったらオートマRCが陽の目を見ることさえなかったコト、”勝てなければ職を失う”日本人契約ライダーの辛口コメントの対比は現実感たっぷりです。

 

RACERSシリーズはかつて栄光に輝いた、敗北にまみれたレーサーに焦点を当ててまとめ上げられるムック本、いわばノスタルジックに過去を振り返るためのアイテムなのですが、今号では未来のモーターサイクル、それもごく近い将来に向けてを期待させるオートマチックミッション:HFTの可能性を最後に語ってくれています。

ユーザーが電子制御用ROMを書き換えて走りをアレンジ出来る、そんなモーターサイクルの時代は来るんでしょうか。