本当はCO2削減なんて考えていません 〜エコカー減税でいいのか?
「温暖化問題=CO2削減」「100年に一度の不況風」まとめて解決してくれるのは日本の省エネ技術です....そんな謳い文句で「エコ」標語をくっつけて展開している日本経済ですが、未来はとてつもなく暗いです。
GDPとCO2が比例関係にあるということは既に明らかになっていて、CO2減らす目標建てておいてGDPも伸ばそうというのだからもう論理破綻しています。「それを実現するのが日本の省エネ技術です!」と力説されても、疑わしい話や統計がゴロゴロしています。
CO2「21%減」を求める斉藤鉄夫環境相と「4%減」を求める経団連の間をとって15%にします.....麻生首相とはかようにアホですが、中期目標検討委員会報告の経緯を見るとさらに未来は暗いようにも思われます。企業が無理だ!と言ってるのに世間体を取り繕って出した数字ですから、恐らくGDPダウンは覚悟しているのかと言うと「経済復興は着実に進みます!」と根拠無きホラ話に終始しています。
武田邦彦 (中部大学)さんのトコロから抜粋
京都議定書依頼、実際にCO2削減に取り組んだとは思えないカーブでもあります。来年以降もGDP:5%を目指そうというのだから当然CO2も増えるんだろうなぁ、と読めますよね。
いろんなところでCO2排出量の統計がとられていますが、ちょっと特異な見方をしてみます。総務省・統計局の資料「 16-3 温室効果ガス排出量の推移 」では1990年比のものしか載って無くて、日本もまぁまぁ頑張ってるのかな?なんですが、同資料「16-4 燃料燃焼による二酸化炭素排出量」で,1980年比で見てみると、日本は1980年→2005年の間に2006年のブラジル一国分相当のCO2を増やしています!
「燃料燃焼による二酸化炭素排出量 」とは、総務省・統計局の解説によると「人為的に排出される温室効果ガスのうち,二酸化炭素は最も大きな割合を占めており,その大部分は化石燃料の燃焼に起因している」で、自分の推測に間違いがなければこの主体は「自動車」です
。財団法人 自動車検査登録情報協会にある自動車保有台数の統計によれば、1980年→2006年の間に自動車保有台数はほぼ倍増、驚くべきことに「貨物車」は微減で増加主体は「乗用車」「2輪車」です。排気量の差を考えあわせると、1980年→2005年の「燃料燃焼による二酸化炭素排出量 」増加は、乗用車の増加によって行われた、です。
1980 | 1990 | 1995 | 2005 | |
温室効果ガス排出量の推移(百万t) | 1272 | 1359 | ||
燃料燃焼による二酸化炭素排出量 | 880 | 1071 | 1156 | 1227 |
乗用車の保有台数(万台,) | 2275 | 3293 | 4296 | 5629 |
排ガス規制が強化されてきたとは言え、クルマの平均排気量も上昇しているので台数以上の効果を上げてるような気がします。エコカーに変わったとしてもどうなんだろ....大排気量車や世帯あたり複数所有者には増税してクルマの台数減らすしかないでしょう。「夢の電気自動車」開発とインフラ整備に現実的な補助金出そうと思わなければ絶対CO2は減らないね!
....と、話のコジツケによってはこんなこともありえますか。