ハイパーテキスト4〜HyperCardを継ぐモノ〜FileMaker Pro
ネルソンの提唱する「ハイパーテキスト」の概念を理解できなくても、「HyperCard」は、コンピュータ=「夢の機械」の片鱗を実感させてくれました。PC8800mkII、PC9801ns...それまでの計算機に投資して得られたモノとは全く違う未来を期待できたものです。ただ「HyperCard」はMacintoshという箱の中から飛び出すことはなく、片鱗を見せたものの進化することもなく舞台から退場させられてしまいます。この頃(1990)自分はというと”コンピュータはまるごとデータベース世界の端末”という風に考えるようになっていました。「HyperCard」に代わるアプリケーションを捜しているときに現れたのが「FileMaker」です。
「FileMaker」は、当時Appleの子会社Clarisから発表されたカード型データベース(1985)でしたが、当初はそれほど魅力的なモノには写りませんでした。「誰にでも簡単に住所録が作れる」程度の本来ならば当時のバンドルソフトの域を出ていませんでしたから...ただ「FileMaker」は進化していくんですね。「FileMaker pro」(1990)となってVer3.0(1995)に至頃からやっと本格的なデータベースに必要な機能をもったアプリケーションになり「HyperCard」に代わる新しい可能性を見せてくれるようになりました。
もっぱら業務用データベースとしてなら他のアプリを選択していたでしょうが、それは自分が「HyperCard」で予感した「ハイパーテキスト」の未来にはどうしてもダブりませんでした。もっと身近な存在が可能性を見せてくれなければ意味がないと思っていました。1995年は「Windows95」「World Wide Web」によるインターネットの本格始動、と興味のつきない年でしたが、それでも「FileMaker」の進化に期待していました。しかしここからの足踏みは長くAppleの子会社Clarisから「FileMaker社」として独立しプラグイン機能やWeb公開機能を持った Ver4.1が登場するまで3年待たなければなりませんでした。
2009.12.3追記
シェアウェア販売企画試案
エンジニアからマルチメディア企画営業職に転身した1996年、FileMakerのポテンシャルをぎりぎりまで探る想いで作り込んで発表したのが「DAiLY NOTE in my PC」
当時のPDSという形式で発表しましたが、当時の企画部署で販売形態としてのPDS・シェアウェアというのはありや無しやという検証用の題材でもありました。
当時のFileMakerにはまだカレンダが実装されておらずサービス表示機能も自前で実装、使用期限の設定、期限解除のRegist Key Number生成なんかもまだまだ稚拙なスクリプトを駆使して書いた我ながら力作でもありました。
製品管理〜製品出荷管理データベース
2006年「MUSIC POSCA」事業を裏側で支えるデータベースをFileMaker /FileMaker Server で設計しました。
バージョンが ”8”まで上がってリレーションがやっと使えるようになったとは言えそこはFileMakerです。まだ稚拙なバグがたくさんあって果たして想定される製品管理〜製品出荷管理のデータベースとして機能するのか...
3ヶ月の突貫作業でなんとか機能させられる状態になり、半年かけて仕上げていく段取りで進行、正直「よく動いてるなぁ...」と他人事のように関心する出来ではありましたが、当時の最新 Mac Pro 最上位機種での演算でも「重いなぁ...」と欲張った仕様に稚拙なプログラム設計ではありました。FileMaker ver11でリレーションが全面刷新されると案の定、ver8のバグ対策前提で設計したプログラムは全面改修する必要があったのですが...「MUSIC POSCA」事業自体が頓挫してしまいプログラム改修作業が必要なくなりホッとしたもんです。数百行にもなるスクリプトステップが幾つも絡んで動作するシロモノ、こんなの二度とは書けないとおもいましたねぇ...
福岡に住んでます。光野様も、もしや福岡出身では?人違いだったらごめんなさい。
おおっと! もしや筑紫中央の畑山か?