日々の雑感〜新海誠「秒速5センチメートル 」〜いまがイチバン楽しい

現在大ヒット上映中の新海誠作品「君の名は」以前の作品同様、風景は影絵の如く光と影と色彩のコントラストが豊かで、繊細な線で描かれたディテールに奥行きと清々しさをオンブーストさせる....と思う。なにしろまだ予告編しか観ていませんから... 作風は以前の新海誠作品と結構異なるらしいですが、珍しくウチのつれあいが「観たい!」と言うので週末には映画館に出掛けてみたいです。

ちなみに新海誠監督とは以前に数合わせで招かれた食事会で言葉を交わしたことがありますが、作風どうりSHYな印象で作品に流れる”若い時代のもどかしさ”が重なる人柄だったと記憶しております。

新海誠作品を観たことがないというウチのつれあいのために、2007年作品「秒速5センチメートル」短編3部を数年ぶりに一緒に見返してみました。

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ストーリー:物語は1990年代前半頃の東京の小学校を舞台に始まる

■桜花抄(おうかしょう)
京の小学校に通う遠野貴樹と篠原明里は互いに「他人にはわからない特別な想い」を抱き合っていた。小学校卒業と同時に明里は栃木へ転校してしまい、それきり会うことがなくなってしまう。貴樹が中学に入学して半年が経過した夏のある日、栃木の明里から手紙が届く。それをきっかけに文通を重ねるようになる2人。
しかしその年の冬に、今度は貴樹が鹿児島へ転校することが決まった。鹿児島と栃木では絶望的に遠い。「もう二度と会えなくなるかもしれない……」そう思った貴樹は、明里に会いに行く決意をする。その約束の日、関東では大雪となり、貴樹の乗った列車は途中で運転を休止する。貴樹には停まった電車の中で運行再開を待つことしかできず、時間だけが流れて行った。
深夜になって、ようやく貴樹は待ち合わせの駅に到着する。人気のない待合室で明里は待っていた。貴樹と明里は寄り添って夜を明かし、唇を重ねる。
2人は互いに手紙を書いて持参していたが、結局どちらも手紙を渡すことなく別れるに至った。

■コスモナウト
種子島の高校3年生・澄田花苗は、中学2年の春に東京から転校してきたクラスメイトの貴樹に恋をしていたが、その想いを伝えられずにいた。しかも、卒業を間近に控えながら自身の進路も決められず、趣味のサーフィンでも波の上に立つことができないというスランプに陥っていた。
そんな折、貴樹が卒業後に東京の大学へ行くことを知った花苗は、ひとつの決心を持ってサーフィンに挑み、ついに波の上に立つことができた。それを受けて花苗は、秘めていた自身の想いを貴樹に告げようと決心する。

■秒速5センチメートル
貴樹は高みを目指そうともがいていたが、それが何の衝動に駆られてなのかはわからなかった。ただひたすら仕事に追われる日々。3年間つき合っていた女性からは「1000回メールしても、心は1センチくらいしか近づけなかった」と言われ、自身の心が彼女に向いていないことを見透かされてしまう。貴樹自身も自分自身の葛藤から、若き迷いへと落ちてゆく。しかし、貴樹の心は今もあの中学生の雪の夜以来ずっと、自身にとって唯一の女性を追い掛け続けていたのだった。
ある日、貴樹が小学生の頃に通った踏切を歩いていると、線路上でひとりの女性とすれ違う。踏切を渡り切った貴樹は女性が明里かと振り返るが、踏切には電車が走っており、電車が通り過ぎるとそこには誰もいなかった。

(Wikipedia)

 

 

この「秒速5センチメートル」では、ジブンにも似たような時代に似たような事があったことが思い起こされます。ストーリーは別モノながら「文通」「上京」「モテ期」「仕事にもがく」「電話で伝えられた別れ」「遥か昔からの因縁」というキーワードな出来事がジブンにもあったこと、それを若い頃のように悩ましく思うこともなく、馬鹿馬鹿しいとなじることもなく、ましてやそんなことを恥じるでもなく、淡々していられる歳を重ねたジブンがとても可笑しいです。

「思い当たることが1つも無い!」と言うウチのつれあいにはただただ退屈なお話らしいですが「いまがイチバン楽しい」と言って頂けるのだから、我が家には何の問題もありません。