豊洲土壌汚染対策問題〜都庁職員の独断と隠蔽〜工事着工前に「地下空間」記載資料は開示されていた?
”盛り土”が無かったことで連日ニュース続く豊洲市場の土壌汚染対策問題ですが、もはや汚染防止の効果が云々という実際上の問題というより「素人(都庁職員)の独断で豊洲移転プロジェクトは進んでいた」という、どうやら国の行政機関でありがちな陳腐で重大なスキャンダルになりました。
焦点になった「豊洲新市場予定地の土壌汚染対策工事に関する技術会議」の議事録資料は東京都中央卸売市場サイトで閲覧可能です。
http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/siryou/gijutsu_siryou/
第6回会議で東京都職員は唐突に「案-5:市場建物と一体となった対策」として地下空間を利用した提案を工事の全体フロー図付きで出して来ます。
第6回会議録 のP12〜13で東京都職員が駐車場として地下空間を利用できないかという提案をしていますが...
- "盛り土"が無くなって土壌汚染対策に支障が出ないか疑問視する技術委員が全くいない
- 費用効果に言及する委員
- 液状化対策に言及する委員
- 「他の機能への影 響や、メリット、デメリットを挙げて全体で評価する必要がある」〜「次回は、各案で経費を算出し、その組み合わせで最適案を検討する」
第7回会議録 のP7で案-5 地下空間利用に関して言及しています
第8回会議録 東京都職員はP7から案-5前提のように説明しており委員の応答にも答えている。出席している委員が「地下空間」に関して”よく覚えていない”旨のコメントをしているニュースもあったが、それはおかしくないか?と思えるのだが「次回に最終提案を検討する」結論を見ると「なるほど...」とうなづけてしまう。
第9回会議録 驚くことにP3であっさり案-5切り捨てが宣言されており、東京都職員もコレを了解しているます。
結局案-3を基本に案-1,2の部分案を組み合わせた最終案(選定する技術・工法(案))を策定しています。
選定する技術・工法(案)を組み合わせた全体計画フロー図
確かにこのフロー図中には案-5のフロー図にあった「建物建設地・建物建設地以外」の区分けも無いし「地下空間部分」に言及した箇所もありません。
これが最終案として委員にも東京都職員から提示されているのだから、委員が「地下空間部分があるんだけど」と今頃になって言われても「そんなはずないよなぁ...」とか言っても不思議じゃありません。
第10回以降、土壌汚染対策工事が終了するまで技術会議で最終案のフロー図が変更されるような議事録内容は見当たらないので、このまま実際の土壌汚染対策工事に反映されていくはずなのですが.... 工事着工(2012.3)目前の2011.10.18に開催された第15回会議録資料中に怪しい部分を見つけました。
施工法を区画ごとに説明している図ですが....建物部分が空白です。技術会議の委員はとくに疑問視しなかったのでしょうが、この空白部分はどういう意味だったのでしょうか。
※先日2011.6月時点での建造物設計図面に既に地下空間が存在していたことが判明しましたから、当然上図の空白部分は地下空間のことを反映して書かれたものと思われます。
土壌汚染対策工事の着工前にこのつまんない役人のミスに技術会議の委員が疑問を抱いていたら、もしかしたら今回のドタバタ騒ぎは無かったかもしれませんねぇ...
東京都職員は意図的に最終案の「選定する技術・工法(案)を組み合わせた全体計画」とは異なる方針で工事を進めようとしていた疑い濃厚です。言い訳の幾つかは思い浮かびますが、多分に整合性を言い繕うのは難しいのではないかと思われます。たぶんイチバンもっともらしいストーリーは
- 東京都職員は(コスト的な問題等で)もともと建物下に空間ありきを知っていた。だからこの空間の「活用」を提案したが却下された。「活用」は却下されたがもともと建物下に空間ありきなのでそのまま空間が残った。
東京都職員は予算算出の予備知識収集のためなのか、後暗い利権集団と結託してなのか、予め建築土木業者と下打ち合わせを行っていて当然。そこで地下空間作った方が安上がり〜という素人判断なのか、手抜中抜き情報なのかにアクセスしていて、これに技術委員会のお墨付きを付加してもらうために”活用”案をわざわざ持ち出した...そんなとこではないでしょうか
以上
-あくまで土木にも疎いジブンの勝手な思い込みです-