パソコン出荷台数、10年前の水準まで後退〜正常進化と言うべきか

Global PC Market Shrinks to Decade Low

ドイツStatistaによれば、昨年の全世界でのパソコン出荷台数は2億6300万台で、10年前の2007年の出荷台数と同水準にまで後退したそうです。アップルのMacintoshに関して言えば、相変わらず7〜10%シェアながらこの5年間はほぼ横ばいの出荷台数をキープしています。


Apple Macintosh Market Level

2007年と言えば、米アップルがiPhoneを市場投入した年で、その後スマホ全体の販売台数は年間2億1700万台を販売するまでに成長。

Smart Phone Market Level

フツーのヒトにとっては「大抵のことはスマホで出来るから...」わざわざパソコンに構える必要もないと言うのは当然かもしれません。

2009年のパソコン利用調査(MyVoice)結果を見ると順位の変動はあるものの、現在のユーザー利用調査結果とほとんど変わりません。もっと言えばこの20年ほどパソコンで扱えるシロモノ自体がほとんど変わっていません。ただ通信速度が劇的に高速化しネットを介したデータ処理が爆発的に増大した結果、質的にも量的にもユーザーは随分と便利を享受できるようになりました。

40年前の80年代初頭、ジブンが大学でパソコンに触れた時期のそれはかなり特別なシロモノで、それから10年経った90年代やっと世間の認知は上がったものの、大半のヒトにとっては依然として扱いに苦慮するシロモノに過ぎず...

潮目が変わったのは、90年代のインターネット勃興から

2000年代に入りやっとパソコンはフレンドリーな扱いをされるようになり、10年前には「生活に欠かせない道具」とまで言われるようになりましたが、大半のヒトにとって「パソコンは扱いにくいブラックボックス」のままでしたから...

あれこれ余計な事を考えないで済ませられる「スマホの方がカンタンで便利」に流れるのは当然と言えます。(実際にはあれこれ考えるべきコトは圧倒的に増えてるんですが...)

世間は「とっつきにくい堅物」よりも「一見馴染みのいい尻軽」の方が大好きなんです。

 

パソコン出荷台数、10年前の水準まで後退〜正常進化と言うべきか” に対して2件のコメントがあります。

  1. Jim より:

    筆者様

     感覚的な感想で恐縮ですが、伸びないのは当然でしょうね。「次は何?が来るの?」が無い様に思いますし、未だに「薄さ、軽さ、電池の長保ち・・」しかなく、一寸、高くても、大枚叩いて・・、購入したいものが無いのが、原因の一つ?どの国でも、全く障害無く使用出来るネットストレージ・・、無いですよね。

     是が万能で、最強・・は無理ですし、是は国際社会情勢にも影響されていますし、世界各地のでの「使いやすさ」は、PC自身が原因では無いですから、数字だけで物言うのはおかしい気がします。

    Jim,

  2. inmycab より:

    >Jimさん

    >「次は何?が来るの?」が無い様に思います
    全く同意いたします。
    「新規の出荷台数が減ってる」のは PC離れ=スマホ移行 だけなんて思ってません
    通信産業が使い物になるインフラに達したから  トータルとしてイノベーティブな使い方を提案できるようにはなりましたが、基本的な「端末性能」は部品個々でアップデートが効く10年前のパソコンでじゅうぶん、実のところ使われ方の根っこの部分は20年前の想定を越えるようなコトは何もなくて 10年前の機種だってSSD普及でじゅうぶん使える 結果として「耐久消費財」のパソコンは長持ち、リサイクルされてます。

    スマホ進化を支えてる部品単位、要素プログラムではイノベーティブな技術革新が見えても、使われ方想定は10年前と大きくは違わない ただスマホは「耐久消費財」というにはヤワ過ぎるのと メーカー・インフラから それこそ廃棄・買い替えを強制される仕組みが出来上がってるし、OSやアプリだけでは実現出来ないギミックをどんどん押し込んでアピール出来る余地を残している... そんなだからスマホが伸びるのは当たり前と言えば当たり前...

    個人的には....手を加えにくくなったOS にしか対応しない 手が加えられない最新ノートPCなどは 最悪な部類の商品... 面白みは無くなった、のですが、まるで「根性がなくなった」とぼやく運動部OBみたいなモンです。幸い まだ「策あれば対応あり」が通用する状況なので それなりに 新しいモノに期待し 取り入れて楽しもうと思っております。

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