さいたま市は安全か?〜地震についての空想科学的不穏な可能性〜柏崎-千葉構造線 x 中央構造線

地震について〜さいたま市は安全か? 」記事を書いたのは、もう10年以上も前になりますが、当時はネット上に地方の地盤・断層・地震に関する詳細情報なんて掲載されてない時代でした。「不動産資産を棄損する可能性がある」という理由で Google Map上に活断層の線が消えたり、地方自治体は防災情報でさえ詳細地図に書き込むことをためらっておりました。

3.11東日本大震災以降やっと防災情報の優先度が認知共有され、地方自治体レベルでの防災マップ拡充が進み、一昨年の熊本地震以後はさらに町村レベルでもかなり精度が高い情報を発信するようになったと思います。さらに旧来強固な大宮台地の上にあるとされていたさいたま市ですがの観点で言えば実は”揺れやすい”土地だということが判明しています。

しかしながら

いまや地震予知は空想科学の烙印を押されたも同然、資料・知識・情報も事後の能書き説明だけのものに過ぎないのではないか?とも思えます。「関東の活断層地震「30年内にM6.8以上の確率50~60%」いまどきこんな話を真に受けるヒトもいません。

こんな説明で溜飲を下げる意味もありません。

学者が評価しなかった古代の文献のくだりが再び目をさましたり、科学的には今日にも起こると言われ続け数十年を安穏と過ごせていられたり...

地震学が空想科学の世界と割り切ると不穏な可能性はもっと広がります。

 

荒川起震断層

「埼玉県南東部,関東平野の中央部に北西-南東方向の活断層として推定されていたが,反射法探査では第四系を変位させる断層が確認されず,活断層ではないと判断した →産総研-活断層データベース-

もはや活断層であるか、そうでないかは専門家のなかでも意味を失いつつある話だし、3.11以降の列島全体の歪みは全ての断層帯で活性化していると考えた方が「空想科学的」です。

実際のところ内閣府防災担当やさいたま市の防災ガイドで被害想定にしている「さいたま市直下地震」とはこの荒川起震断層での震源想定のことです。

資料:首都直下地震の被害想定 対策のポイント - 内閣府防災担当

 

深谷・綾瀬川断層〜中央構造線

「埼玉県岩槻市の地下3500mから採取したボーリング試料について最新の手法で解析を行った結果、この岩石が、日本で最も大きい断層であり、一部が活断層である中央構造線のごく近傍(およそ500m以内)で変形した特殊な岩石(マイロナイト)であることが明らかとなり、関東平野の地下深部の中央構造線の位置を特定することができた。 産総研-関東平野地下深部に特定された中央構造線-」

一昨年の熊本地震で俄然注目を浴びた「中央構造線」その東果てが東松山〜越谷ラインとなり、深谷・綾瀬川断層に重なりつつ茨城・千葉方面に伸びているというお話ですが、位置的にはさいたま市大宮近傍直下を通っていてもおかしくない、ともはや深谷・綾瀬川断層が活断層かどうかなんて話はどうでもいいくらい「空想科学的」であります。

※実際に中央構造線MAPなるモノで、上尾〜東大宮にかけてのラインを推測するヒトもいたりします。

また「中央構造線」のウィキペディアで産業技術総合研究所・地質調査総合センターが用いている画像はまさにそれです。

さらに菅原道真の編纂による『類聚国史』にある弘仁9年(818)7月、関東地方を襲った弘仁地震は、まさに群馬-埼玉の県境でのお話と言われており(→弘仁地震の被害と復興、そして教訓)中央構造線がらみの話はあなどれません。

つい先日の群馬南部震源の地震

 

昨日(6/18)の大阪北部地震も中央構造線・領家変成帯北縁で生じた地震、と解釈することも出来るのでは...

 

阪神大震災も中央構造線近辺で起きた地震ですから、今度は東果て関東平野の中央構造線近辺で大きな地震が無いとは言えません。

 

フォッサマグナの東縁:柏崎-千葉構造線

フォッサマグナとよばれる巨大な地溝帯の西縁、糸魚川-静岡構造線は中央構造線と並ぶ巨大な断層帯として知られており、その東縁ではないかと見られているのが柏崎-千葉構造線です。

実際のトコロ、フォッサマグナ東縁として諸説あるうちのひとつに過ぎず、確認の作業もおざなりな不明瞭な代物ですが、浅間山や最近噴火警戒レベル引き上げられた草津白根山はこの構造線近傍だし「2018.1.2 さっきの地震は例のあそこです」記事の”東京湾北部震源”などにも関わっているやもしれません。

フォッサマグナの説明 →ナウマン博士のフォッサマグナ

さらに注目は中央構造線と柏崎-千葉構造線が交わるであろうとされている茨城県西南部、坂東市・常総市付近と言えば日常的に震源通報される地域、妙に腑に落ちる話ではないでしょうか。

 

もはや地震の話は空想科学的に語るしかないのかもしれません。

さいたま市の防災マップに
「中央構造線」が記載されることはないと思いますが
記載されたとしても役に立つことは何もありません。

ただ被害想定に「さいたま市直下地震」が存在するのは
暗に想定済みだということなのかもしれません。

産総研資料をマップに置き換えるとこうなります
精度は保証出来ませんが、中央構造線は
さいたま市の北区〜見沼区あたりを通っていることに...