走行5000km超えの実感レビュー〜三菱エクリプスクロス・ディーゼルターボはこんなクルマです〜

早いもので7月21日納車からオドメーターは7,000kmを超え、我が家の実走行としても5,000kmを超えました。夏休みやシルバーウィークを経ての走行距離ですので、このまま年間30,000kmペースなどということはないと思います。

先日の奥羽路の旅1500km走行でいろんなことがはっきりわかってきたので書き留めておこうと思います。

接地性と旋回挙動と感触

ステアリング中立位置での反応は、鈍くはないですが2007年製ルノー カングーで味わったようなタイヤが地面を掴んでいるほどの感触はありません。昔TOYOTA 旧RAV4の試乗で味わった”どこに進んでいるかわからない”という中立位置での無反応な怖さには無縁ですが、もう少しEPSA(電動アシスト)のチューニングどうにかならんか、みたいには思います。

大昔の4WDみたいな”独特な四駆走行感”が無いのはアウトランダーPHEV試乗やこのクルマの試乗時から感じてはいたんですが、重いディーゼルエンジンを載せてフロントヘビーなハズにもかかわらず、S-AWCの恩恵か不意のタイトコーナーでステアリングを切り込んでも接地性は良好、ほとんどロールしないで曲がり切っていくのが気持ち悪いくらい、とにかくSUVとは思えないくらい良く曲がります。ただそれでもやはりステアリングからのインフォメーションは不足気味で面白みには欠けます。”舵取り”は優秀みたいなだけに残念にも思えますが...慣れていくと消えていく感覚でもあります。

エンジンとドライバビリティー

ハイギアード・クロスレシオな8速ATとの組み合わせで常にエンジン回転数1500rpmキープの強い制御が入ります。それが特に不快ということもないですが、Dモードのまま追い越し急加速しようとすると制御が介入してハイギアに移行しようとしてドタバタする場面があります。追い越し急加速はマニュアルパドル2速落としでアクセル踏み込んだ方がスムースです。

Dモードでの減速時、超スムースなキックダウンが入り適度にエンジンブレーキが掛かるのにはすごく感心したり...パドル操作でマニュアル走行時も、減速するとオートで(前述のエンジン回転数制御介入だと思うが)シフトダウンしてくれるのですね。これは便利!(停止時Dモード移行)と田舎者のようにはしゃいでしまいました。

意外ですがリバース(バック)で結構なスピードが出ます。これまで乗った中では最速かと..

「世界一低圧縮のディーゼルエンジン」のおかげで走行中の室内はすごく静かです。その割に性格は古典的に低回転から大トルクを発生するキャラクタだからか、発進時アクセルに過敏でないのが気に入ってます。変速機が常にハイギア選択移行しますからアクセル踏度に対してスピードの乗り自体は速いというか、感覚以上にスピードが出ます。同じディーゼルのマツダCX-5の試乗では”回るディーゼル”でガソリン車に近い感覚、反面低回転トルクはスペック(cx-5:199ps /450N-m)に反してエクリプスクロスの方が力強く感じます。

2000回転で最大トルクを発生するエンジンで高回転を回してもあまり意味がないというか、実際ややハイギアードでクロス設定のアイシン製8速ATは、1500〜2000回転域を上手く使うように調教されています。「3500回転で頭打ちのエンジン」と評されておりますが...Dレンジで3500回転も引っ張ると130km/h以上出てしまいますし、固定ギアでわざわざ3500回転以上ぶん回すシチュエーションはいまのところ考えにくく、いいとこ高速道路のパドル操作で強引な追い越しでもかけるときかと... まぁあまり実用性能とは言えないレンジの話です

まだ悪路らしい悪路を経験してないのでなんともですが、マディーな処でも安心して踏めそうな感触です。悪路の峠越えとかのレビューも書きたいですね。

オフロード走行で参考になりそうなインプレッションレポート

 

 

高速走行時の挙動

はっきり言って高速走行時の直進安定性はあまり良くないです。断言してしまうとまた違うような気がしますが、旧カングーが時速150km/hでも真っ直ぐ走ってくれて舵を入れた分だけの反応をしてくれるのに比べると、エクリプスクロスはけっこう注釈がはいります。「鬼のように直進性は強くない」と言い直した方がいいかもしれませんが、微妙なアンジュレーションを拾ってしまい、カングーに比べて微妙な修正舵を入れる必要があり、元来クイックなハンドリング設定だけに”微妙な修正”が最初のうちは気持ち悪かったのですが、ヒトは慣れるモンです。ハンドルの握りや構えをアジャストすると遠征の帰宅時(1000km走行後)には気にならないレベルで体が対処しておりました。

同様に時速120km/hくらいでの高速旋回時、微妙なライントレースがうまくいかないと思っておりましたら、途中「アクセルを踏み込んでの微妙なアンダーステア傾向、アクセルを抜いての微妙なオーバーステア傾向」のクセをインプットしてからは、不安なくハンドリングしていけます。

国産車にはもっと酷いのがたくさんあるし、手放し運転CMのクルマもかなり怪しいと感じてしまう質なので、とりたててエクリプスクロスの直進安定性に問題があるワケではないでしょうが、慣れるのに少し時間が必要だったというお話です。

ジブンの感じたドライブフィールに近いインプレッションレポートです

※最初はコツンコツン、ゴツンと硬い足回りの印象でしたが...5000km走行後少し丸く感じられるようになり「慣れたせいかな」とか思っておりましたが、10,000km走行もすると明らかに角が取れて丸まっております。-2021.2追記-

2024.1.10

16インチ/A/Tブロック型70タイヤに履き替えたところ、上記で指摘していたドライブフィールの違和感がほとんど無くなっております。思うに我が家のクルマに装着されていた純正ホイール/タイヤのアライメントに問題を抱えていたのではないかと疑っております。とにかく修正舵をほとんど入れなくてもどっしり真っ直ぐ走ってくれるし、旋回も素直なモンです!

 

 

燃費

いまのところ市街地走行12km/L、郊外走行15km/L、高速道路20km/Lというところでしょうか。他社のエコカーとは比べるもなく劣って見えますが、以前のクルマ(旧 カングー)に比べれば2割程燃費は良くてハイオクから軽油に代わった分、トータル4割方燃料費は節約出来てるとも言えます。エンジンの性格(110km/h走行時、8速1500rpmで余裕しゃくしゃく)から言っても高速道路はそこそこ飛ばした方が燃費は伸びます。

※低回転トルクが分厚いので、パドルシフトを使って積極的に1500rpm以下(1200〜1300rpm)のハイギア選択してもじゅうぶん実用的で、クルーズ走行が可能な郊外だとDモードより2割くらい燃費が向上します。ただ市街地走行では1〜3速多用となりパドルシフトで燃費を稼ぐのは難しいですね。 2021.1追記

 

室内装備と使い勝手

室内インテリアの見てくれについては感心が薄いというか、あれこれ評論する仕事のヒトの指摘でやっと気づくこともあれば、これみよがしの指摘自体が?に思うこともあります。「水平基調主流」に乗り遅れた旧型ダッシュボードデザインと言われておりますが、助手席側の目線に高いダッシュパネルが無く前方間口の空間が広いのが気に入ってます。

それより...ドライバー側の集中ドアロック・ウィンドウ昇降スイッチの位置にどうしても慣れません。それからカップホルダーがやはりドア側に欲しい....スイッチの操作性云々は全然触らないのでわかりません。あしからず。

イチバン気にしていたフロントシートについては、1日8時間くらい座っていてもさして苦痛を感じなかったので一応合格点はあげられます。車両価格の割に電動アシストされてなかったり見劣りはありますが、故障したヒトを知ってるのでジブンは確実にセッティングできる手動で満足です。ただルノーの魔法のシートには及ばないかなぁ...

リアハッチゲートが電動でないのもいろいろ指摘されていますが...こんなモン手動でじゅうぶん。カングーのリアスライドドアも手動でしたし...

インテリアにはあたりませんが... やはりこのくらい(全高1685、室内高1240)の上背が我が家には必須です。以前のクルマ(旧カングー)に慣れていたせいか、乗り降りするときに頭をぶつけそうになったSUV車はけっこう多いし、頭上空間がちゃんと確保出来ていないと閉塞感で長くは乗っていられません。

前走者に追従してくれる「レーダークルーズコントロール」...あんまり賢くないというか、どの国産車でもそうらしいですが、前走者に追随しようと不意にキックダウンして加速体制にはいるのが嫌い。燃費に良いとも思えないし...

真後ろから眺めると...何故か大昔に乗っていた SUZUKI X-90にも似た雰囲気を感じます。