Fantastic New York City 90s 〜光と影とダスキーな90年代ニューヨークをiPad/iPhoneで味わう

「冬の光 −スカンジナビア幻想−」に続く写真家:長谷川朝美さん撮り下ろしによるPhone / iPad / iPod向け写真集「Fantastic New York City 90s」がリリースされました。前作が「ファンタジー」をモチーフに選ばれた氷の楽園、本作品は「ファンタスティック」だった90年代のニューヨークを象徴する世界貿易センタービルの全景から始まります。BGMは旧知の佐山正之が ”写真に負けない” JAZZYなピアノを聴かせてくれます。


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80年代から90年にかけてのアメリカというのは、映画やミュージックシーンが華やかさいっぱいなのに比べて、経済的にはアジアの趨勢に押されて勢いに深い陰りが出ていた時期。とりわけ産業革命以来の製造業が軒並み撤退、海外移転が進んで、世相的には鈍よりした空気も流れていたわけです。それでも「アメリカンドリーム」の言葉はまだ健在だったから妙にこの時代の光と影のコントラストは濃い。だからこの時代のニューヨークの街は艶やかというよりそんなコントラストとダスキーな都会の灰色が同居してるような感じがします。
それでも、そんないろんな空気も含めて90年のニューヨークは、バブル時代の日本から見て「ファンタスティック」なあこがれに映っていました。
 

写真集APPとしては、クオリティーの高い音楽をBGMに、淡々と美しい写真を見てもらう ベーシックなスライドショー構成。特にギミックな動きが仕込んであるわけではありません。設定画面もシンプルです。スライドショーの表示間隔を任意に設定出来るほか、BGM収録されている楽曲から 開始曲を選択できます。

 

収録されている写真をロール表示させて任意の写真を選択表示させて、お気に入りの写真をiPhone / iPadの背景壁紙として保存できます。

現在のニューヨークは、9.11〜湾岸戦争を経てオバマに見るようにより健康的でスタイリッシュな街に変わっていると言います。もちろんスモーキーな店は姿を消して、落書きだらけの薄暗い地下鉄もありません。この写真のなかの風景は今はどんな風に映ってるんだろう。そんな事も思い浮かべながら90年のニューヨークの空気を感じてもらいたい写真集です。是非お試しあれ。

 

Fantastic New York City 90s 〜光と影とダスキーな90年代ニューヨークをiPad/iPhoneで味わう” に対して1件のコメントがあります。

  1. トム春夏 より:

    いつもレビューありがとうございます。
    あの頃の時代を的確に表現されていて、まさにそんな背景を切り取った写真集に仕上がっていると思います。
    今回も隅々まで紹介していただいて感謝です。

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