Real Japan が称賛される時代〜ゴジラ -1.0、君たちはどう生きるか、SHOGUN に宿る日本人の魂
昨日のアカデミー賞、日本勢では「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞、「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞を受賞する快挙を成し遂げましたが、何より観客動員数や批評家、観客評が素晴らしく高かったのに注目します。また配信が始まった真田広之 プロデュース/主演によるリメイク版「Shogun」は、ジェームズ・クラヴェルの1975年の小説『将軍』(Shōgun)を原作とする”ハリウッド制作ドラマ”ではありますが、日本の歴史考証、所作の細部にもこだわった”日本” 作品として配信記録を塗り替えて視聴される数字に注目しています。
「君たちはどう生きるか」には賛否両論あるらしいですが、古来からの日本人の死生観を落とし込んで作られたであろうと察せられるし「ゴジラ-1.0」では、敗戦日本から復興する日本人の心意気が感じられます。
そんな精神性に由来する ”日本”要素は、これまで海外ではなかなか評価されなかった →興味さえ持たれなかった部分でありましたが、21世紀以降「コミック」「アニメ」のサブカル輸出が ”日本文化”に着目させるきっかけの芽を育て、インターネット・SNSが ”日本文化”のリアリティーを発信出来るようになり、ここに来て円安 が”日本文化”の体験を容易にし、食を通じても日本の真価を見せつける時代になりました。※Japan as No.1と持ち上げられた30年前でも、アメリカでさえまともな日本の認知度は5%未満でしたが、現在は10〜30代中心に20%くらいにはなってる感覚。それでも初見では”チャイニーズ?”と聞かれることの方が多いですね。
この好循環の日本文化輸出の世界で「ゴジラ -1.0」「君たちはどう生きるか」「SHOGUN」では、精神性に由来する ”日本”要素さえ 外国人の興味の対象になり得ていると感じます。ただこれだけで「Real Japan が称賛される時代」到来などとは思わないわけで、カメラとラジカセ、アニメ以外でやっと興味を持ってもらい、振り向いてくれたくらいではないでしょうか。
これからも空いた風穴から多様な日本文化の輸出が続いてくれれば、ホントの意味で「日本から目が離せない」世界になってくれそうだし、それこそが日本の平和外交戦略に繋がっていくんだろうと思えます。