誰にでも出来るはず、の思い込みに苦労した若造でした〜AI時代のスキルってなんだろう
週間モーニング誌連載「平和の国の島崎へ」から抜粋
漫画や書籍、テレビのワンシーン、ワンフレーズに”ハッ”と考えさせられることがあるのは誰しもでしょう。先日もコンビニで週間モーニング誌連載「平和の国の島崎へ」を立ち読みしていてページのフレーズにページをめくる指が止まりました。
高度に効率化が求められる職場ではひとりひとりのスキルが研ぎ澄まされる必要がある〜なんて勘違いするヒトがたくさんいます。実際には凸凹な個人のスキルを補い合うチームワークがモノを言うことの方がずっと大きいし長続きすると経験してきました。現場を深く理解しない経営者や評論家、又聞きを鵜呑みにする政治家が繰り出す「効率化しましょう」の話の中身は大抵スカスカか大きな勘違いである場合が多くて、いいとこ「マニュアル化してください」がせいぜいで上図のような視点をホントに理解しているヒトは少ないです。
1990年頃、データベースとスプレッドシートを組み合わせれば大抵の業務は効率化出来る!と粋がってみた若者がおりましたが、結果は無惨なものでした。...「誰にでも扱えるように」を心がけてプログラムしたつもりでしたが、昔ながらにそろばん弾いて伝票めくってそれまで懸命に働いてきたおじさん達には「そもそも必要ないモノ」と映ったようです。現場に必要だったのは伝票の束の整理整頓だったし、判子を幾つももらいに走る事務方さんのためにせめて高速コピー機を導入して差し上げる配慮でありました。周囲と協調出来ない策は上手く機能しない...まぁ当たり前のことなんですが、リーダーシップを履き違えると空回りするばかりの結果が待っています。
若造はまた走り出してそれなりに頑張ってみましたが、概ね成功とは言い難い30年でした。
2020年、パソコンはネットとAIを操る端末としての機能が主流、機能的にはスマホで代替え出来るシロモノに集約されていますが、画面制約から効率的にはやはりパソコン/大画面での操作に頼ることが多いかなぁ... 的確なプロンプトタスクセットを用意出来るかどうかが操るヒトのスキルのように言われておりましたが、そこもAI頼みにプロンプトタスクセットを生成するAIが登場し、日本語音声でプロンプトタスクセットを入力出来るようになり、もうすぐするとヒトがボソボソ話す”独り言”にさえAIが反応して的確解を出してくるようになるんだろうなぁ...と最近の超進化を眺めております。
「AIを使えるスキルが無ければ将来失業します」とか言われたのはホンの少し前のお話。AIの進化はそんな人達の予想や目論見もなし崩しにする程ですが、果たしてAI時代のスキルってなんだろう? もう大昔のように新しいモノに夢中になれるワケではありませんが、いまだに「AIを使えるスキルが無ければ将来失業します」と連呼してるヒトを見てるとイラっとしたり、ニヤッとしたり楽しいです。たぶんもう少しすると誰にでもAIは使いこなせるように進化してくれるはずで、「AIを使えるスキルが無ければ将来失業します」なんて脅しで現場に不協和音が走ることはない気がします。
果たしてAIは、誰が使っても誰もがそれなりに納得できる精度で成果を提供するようになって来てます。「効率よく成果を挙げて、もっと自由に使える時間を持とう」そんなフレーズもよく見聞きしますが、果たして若造だったジブンが考えてたモノの意味とは全く違いますが、そんなフレーズでも沿えてないと「多くの誰か」がAIを学ぶにモチベートしないし、スキルを求めることもないらしい。どうやら世の中にうねりを作るには、やはり脅して透かして尻尾振って金配って汗かくことに躊躇してはいけない。そんなコトはもうまっぴらゴメンだと思っている現在のジブンです。