ひきこもり100万世帯時代 〜 うつ病が蔓延する社会

先週、かつての同級生の依頼でブログサイトを作りました。小学校の先生で30年ほどのキャリアを持つ彼ですが、2000年以降にひきこもりの生徒を担任する機会が増えたと言っていました。現在もクラスに2人ほど不登校を繰り返す生徒がいるそうです。

春先に起こったひきこもり殺人事件は、案外身近で起きているきっかけからエスカレートした最悪の結果なんだと彼は言います。統計上のひきこもり報告は25万世帯ですが、実際には100万世帯以上に達していると言われています。最近まで気がつきませんでしたが、友人・知人の家庭でも、ひきこもりや不登校に似たような状況が数年単位であったと聞きます。

出典:厚生労働省「2004年版厚生労働白書」資料

ちょっと古い統計ですが、うつ病患者数はいまも増え続けているそうです。ひきこもり=うつ病というレッテルを貼るのは気が引けますが、自殺者にうつ病の人が多いのと同じくらいには統計的な傾向があるそうです。だからひきこもり治療はうつ病治療とほぼ同じです。
時期的に高度情報化時代と呼ばれるようになり、IT革命だと叫ばれるようになった時期に重なってうつ病は蔓延化しました。もしかしたらこれらには何の因果関係もないのかもしれませんが、それまで常識だった価値観をひっくり返す出来事が併せて起こっているし、緊張感のない脳天気な時代が続いたせいで人は皆だらしなくなったのか...先日のひきこもり殺人事件は、そんな時代のツケを払わされているんだなぁ、と感じてしまいます。