劇場版シン・エヴァンゲリオンを観てみた〜終わりたかったんだねぇ...

amazonプライムで「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を観ました。
2時間35分...とても長く感じました。ただホントならもっと長い時間掛かるはずのところをかなりすっとばした感もある長い長いダイジェストを見せられてる風にも感じられました。RPG青春時代なヒト向けギミック満載アニメであることは承知しておりますが、完結編では監督自身と思しき原初心象風景に煙たがられる伝承言葉を多用したりシナリオ解説に過ぎた進行に、長い長い歳相応な大人のけじめを言い訳がましく見せられてるようで、なんだか観ていたジブンの口から突いて出てきた言葉が ”知らんがな”でありました。監督とほぼ同世代のジブン「まぁそんなコトも入れとかないと終われないよなぁ」とも思えるのですが...

amazonプライム「シン・エヴァンゲリオン劇場版」

個人的には「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 THE END OF EVANGELION 」で”終わり”でいいんじゃなかったか...とあらためて思うのですが、庵野秀明はやはり最後は”祝福”で終わらせたかったのでしょうか...

庵野秀明を初めて知ったのは、1988年の「トップをねらえ」です。
「エースをねらえ」のパロディーであることはすぐに判明するのですが、この少女を主人公に据えたロボットアニメは、80年代初頭「伝説巨神イデオン」「機動戦士ガンダム」に始まる泥臭い手前のヒューマンな煩わしさに引っ張られず、嘘物語としての割り切りが潔くて意外なほど楽しめたと記憶しております。

amazonプライム「トップをねらえ」

「シン・エヴァンゲリオン」の戦闘シーンさながら、弾丸、ミサイル、ビームを
撃ちまくって撃破する構図は昔ながらだったんですねぇ...
戦闘終焉後、エンやらやっと地球にたどり着いた彼女たちを祝福が
迎えるエンディングも...

1995年のTV放映版「新世紀エヴァンゲリオン」で当初は「トップをねらえ」ばりに、今度は1965年「海底大戦争」1972年「マジンガーZ」設定のパクリに、中二病の少年をパイロットに据えたパロディー仕立てなアニメくらいに思っておりましたら、何を思ったか庵野秀明は「ヒューマンな煩わしさ」に加えて新興宗教ばりの教義解釈を加えたギミック満載なストーリーを用意しておりました。そして落とし処を見つけられないまま未完の設定は失速していき、試行錯誤は続き.... 

そして完結編がこの劇場版「シン・エヴァンゲリオン」だと言うのですが、やはりこれは、これまでの試行錯誤をうっちゃるために用意した「長い長い歳相応な大人のけじめ」なのか「言い訳」なのかを見せられているようで、ジブンに面白さはありません。

1995年にTV放映版のエンディングで肩透かしくらったというだけで、実のところエヴァンゲリオンには薄っぺらとも言えないくらい乏しい知識と関心しかないおっさんの戯言でした。