シン・仮面ライダー〜嘘物語になお嘘臭いスパイス振ってどうする...

先んず、ジブンは庵野監督ともどもウルトラマンや仮面ライダーを幼少期にリアルタイムに視聴した同世代でありますが、どうやらジブンは庵野秀明というヒトが考える”リブート作品”というのが嫌いらしい。「シン・ゴジラ」は、まだ上映から10年も経ちませんが中身もキャラクターも思い出せないくらい印象が薄いし「シン・ウルトラマン」には幼少期に見た嘘物語の中に宿る”正義の味方”というヒーロー像なぞミリも見えません。庵野秀明というヒトが作りたい「今風に、リアルに、原初に寄せて」な世界はどうにも味気ない風に映ります...ジブンにはですが。

そんなですから新作「シン・仮面ライダー」に期待することもないジブンながらも中身は気になっていろいろ周囲を探ってみたりNHK特番を視聴したりするワケですが....いまのところやはり思惑通りな「シン・仮面ライダー」らしい。

オープニング撮影時の変形前サイクロン号のベース車両はHONDA CB250Rだそうですが、オフロードを振り回したり大ジャンプを決めるような車両ではありません。

昔の変形前サイクロン号のベース車両はHONDA SL350、一応オフロードバイクというジャンル設定ですが....車両重量は154kgとヘビー級で、これで大ジャンプを決めるのはまともな神経のヒトではありません。
放映から数年後バイク屋でこのSL350を見かけて、バイクを物色中だった友人のオガタくんに「仮面ライダーのバイクにしなよ」とそそのかして購入させた記憶が...

なにかと負けず嫌いだったオガタくんは、遊びのジャンプ競争で仮面ライダーに負けないド派手な大ジャンプを決めるひょろっとした優男でした。

「シン・ゴジラ」の印象の薄さは。幼少期に見たゴジラのイメージに引っ張られ過ぎなのかも、とも思いましたが、当時上映初日に並んで観に出掛けたガメラ対ギャオス(1967)の場合で言えば、30年前にリメークされた”ガメラ 大怪獣空中決戦(1995)”の方も作品としては”見事”として記憶に濃いですし、やはり「シン・ゴジラ」はジブンには駄作にしか映りません。

ホントのところはわからないながら、庵野秀明というヒトが作る「今風に、リアルに、原初に寄せて」な演出は、ジブンには嘘物語になお嘘臭いスパイス振ってる風にしか観えないんですね。嘘話にリアルを混ぜ込んだら興ざめ、茶番にしか見えません。ただ今どきは行き過ぎて妙な濃い味がお好きな方もおられる昨今ですから良いだ悪いだ語るのも馬鹿らしいお話ではありますが、嘘話を如何にブーストするかに注力した物語に浸っていたいのに...とは思ってしまいます。

「シン・」シリーズを庵野秀明というヒトが考える”リブート作品”と据えてしまうと「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の大元とはなんだったのかあやふやになってしまうのですが、ジブンにはもともと落とし所に窮した末に行き詰まった作品を終わらせたかった風にしか観えなかったので、これまた作品の印象の薄さは格別です。

そしてやはり、どうやらジブンは庵野秀明というヒトが考える「シン・」シリーズというのが嫌いらしい。矛盾しているようですがヒーロー像薄い「シン・仮面ライダー」もネット視聴出来るようになった頃、覗いてみることにします。

 

2023.5.10

元記事書いてる頃「『シン・仮面ライダー』興収20億円突破 ライダー映画歴代最高記録を樹立!」とかニュースが流れてたんですが....やはりその頃既に頭打ちだったらしく、公開2ヶ月経たないでGW開けには観客動員ベスト10圏外です。