下請けと元請け会社とのお付き合い〜人の切れ目は縁の切れ目〜世間ではよくある話

年に数回、某大手企業の製品取扱説明書のDTP制作を20年以上サポートしておりましたが、元請けの会社で初回発注以来20年近く担当いただいた方が定年退職、後任の新人くんへの引き継ぎは旨くいったかに見えたのですが...1年で中途退職、さらに中途採用入社の新人くんが担当されていたんですが...どうやらストレスでやはり半年で退社されてしまいました。

その後元請けの会社の昔から務めている方が兼任担当となったのですが「企業側からDTPの編集元書類をすべて送って欲しいと言われている」と連絡があり「20年前の契約ではそれはしないとなっております」旨 返信すると、以来元請けからの連絡は無くなり20年以上続いていたDTP制作のお仕事はあっけなく途絶えました。

ブランド製品として販売する企業は、製品開発・製造を他社工場に実質丸投げ、販促に関わる印刷物の制作も印刷会社に丸投げして企業側では「あーでもないこーでもない」会議だけやってなんとも非効率なのが透けて見える体制でしたから、15年以上前にオンライン化しませんかと提案したことがありましたが...まぁ無理でしたね。メールでやりとりするのがせいぜいな大きな会社、中くらいの会社、小さな会社でした。

企業の製品取扱説明書は担当する製品の部署で原案、出来上がりチェックを3段階くらいでされていたようです... 誤字脱字、原案からの全面やり直しなんかもたまにあったんですが、見積予算段階で全ページ2回分の修正を含む見積もりとしておりましたら...ある製品ではほとんど修正無しで校了する場合もあれば、全ページ5以上修正がはいり中には修正してまたもとに戻すというトンチンカンなものもあったり...製品担当によってスキルがバラバラで校了締め切りギリギリまで気の抜けないときもありました。

結局。担当者が変わると発注先が変わる、そんな事はよくあるコトなので大騒ぎはしませんでしたが、その1年前から企業側と元請けの間に入ったコンサルタントからいろいろ注文つけられて担当者は悩んでいたフシがありました。具体的な相談は無かったんですが、そのコンサルタントから担当者宛に送られたメールの転送文をチラッと読むだけで結構な難癖が並んでおりましたので、新人くんの退社はストレスの心労によるもの...と勝手に推測しております、

ウチでは著作権云々をまくしたてる気なんざ毛頭無くて「英語版を海外で作るから」と言われればテキスト抜きのレイアウト版やイラストパーツをほぼ無償で別途提供したりしておりましたから「DTPの編集元書類をすべて送って欲しい」なんて言い出したのは、DTP制作を別に移してチャチャッと仕上げるためなんだろうなぁ...とは察しがつくワケ

おそらく企業側コンサルタントが仕切り直して製品作りの仕組みを再構成したんだと思います。それ自体は企業側にとってもっともなことだし遅すぎるくらい。それで被害を被ったのがそれまでマネージメントしていたはずの元請けの印刷会社とその外注先のウチだったというだけの話です。

世間ではよくある話です。
ただ残念だったのは20年以上つきあった元請けからなんの通知もなかったコト。
人の切れ目は縁の切れ目とはこういうコトですね。