ツレがうつになりまして〜うつ病になったときの行政支援〜さいたま市での手続き

映画「ツレがうつになりまして。」は2009年5月にテレビドラマ化され、2011年10月には宮﨑あおい、堺雅人主演で映画化されたうつ病の実際をテーマにした物語でありますが、21世紀の現代病、コロナ禍での隠れ流行病ともなっているうつ病はいまではそこここで見かける病となっています。

映画公開同時期、ジブンもそうではないかと調べたり映画見たりしたモンですが佐にあらず、バセドウ病と判明して”そりゃそうだよね”と安堵するほど、根が真面目なヒトほど掛かりやすい病気で、やっかいなことにうつ病経験の無い第三者からは症状がなにかと”わがまま”に映ってしまいます。

半世紀前にジブンの母が発症した頃は、うつ病に対する世間の理解が今ほどでなかったのでどちらかと言うと廻りの目が”精神を病んだヒト”扱いで、善意で「頑張りなさいよ」とか言われるのが母は相当辛かったと思います。いまでも理解が浸透しているとは言い難いですが、”腫れ物扱い”されるのも本人には負担らしいし、掛ける言葉を選ぶのもいろいろ難しい...

ウチのつれあいもウツになりまして...

”私事に”チャランポランで天真爛漫な性格と”世間的に”生真面目な性格のギャップがというか、切替障壁が高いように見えるウチのつれあいは、後から考えるにウツに成りやすい典型もしくは適応障害に陥りやすい性格だったのやもしれません。こんな時代ですからジブンも特に”不幸が舞い降りた”とは考えず ”やっかい来たね”くらいに思っておりますが、今回は2回めの発症となりなんだか質悪そうで社会復帰まで時間が掛かるかな、と少し心配ではありましたがいまは出口が見えてるくらいに回復してきております。

心配と言えばそんなときお金の話は切実ですから早めの対策が必要です。

勤め先によっては”給与補償”や”傷病手当”が充実しているところもあるでしょうが、それとて有限期間なモノだしうつ病治療は長期間になりがちですから、行政支援手続きは絶対やった方がいいです。我が家もコロナがジブンの仕事も直撃したので一時期窮地に陥りました。
うつ病もカウンセリングなんかを本格的に受けだすとけっこうな出費になります。カウンセリング自体が保険適用外だったりすることもあるので、保険適用の診療、投薬の部分で出費をセーブするためにも行政支援は受けたほうがいいです。最初の頃「行政支援受けるほど我が家は落ちぶれてないぞぉ」とか見栄っ張りなこと考えて申請しておりませんでしたが、長引くと後々後悔することに...行政支援は幾つか用意されていますが、実際の給付なり支援なり貸付が実行されるまでには2〜3ヶ月掛かることが多いです。すぐにやりましょう!

 

国の行政支援〜自立支援医療 

自立支援医療(精神通院医療費の公費負担)
精神科の病気で治療を受ける場合、外来への通院、投薬、訪問看護などについて、健康保険の自己負担のお金の一部を公的に支援する制度です。(入院については対象となっていません)

”うつ病くらいで行政支援はないか...”とか流しがちですが、いまや深刻な現代病ですから国の支援もそれなりに考えられています。実際の窓口は各自治体になります。

さいたま市の行政支援〜精神障害者保健福祉手帳 

聞こえは悪いですが、うつ病もヒドくなれば立派な障害者、障害者福祉の行政サービスを受ける権利があります。”障害者”というと難しく考えがちですが、とりあえずお医者さんと相談してうつ病の程度が「精神障害者保健福祉手帳」の申請用診断書※1を発行してもらえるかどうかというのが基準になると思います。

※病院側から行政サービスを積極的に勧めるケースは少ないので、こちらから相談するようにしてください。
※1:精神障害者保健福祉手帳の申請時に必要となる医師の診断書にかかる費用を補助しています。

精神障害者保健福祉手帳
手帳は、一定の精神障害の状態にあることを認定して交付され等級が定められます。

障害等級 精神障害の状態
1級 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
2級 日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
3級 日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの

自治体にもよりますが、各種税の控除や減免、公共施設の利用料の減免、各種福祉サービスを受けることができます。
・医療費の軽減措置は、通院またはデイケア、訪問介護といったものが対象となります。 入院を要する精神疾患や公的医療保険対象外の治療には適用されません。 本制度による医療費の自己負担は原則1割です。 また、受給者の負担にならないよう、収入に応じて負担の上限額が定められています。
・有効期間は交付日から2年間

いづれも申請してから認定審査を経なければなりませんが、申請する手間を惜しんではいられません。会社勤めを休職せざるを得ない状況が数ヶ月以上に及ぶなら3級以上の障害等級と認定される可能性があります、

緊急小口資金等の特例貸付、総合支援資金貸付 

新型コロナ感染症の影響によりうつ病を発症し休業・失業で収入が減少、生活資金に困る状況が生じた場合、生活福祉資金貸付制度における緊急小口資金及び総合支援資金(生活支援費)の特例貸付を受けられる可能性があります。
※申請期限が迫っています(令和4年9月末)検討される方は急ぎましょう。

緊急小口資金と共に総合支援資金(生活支援費)の貸付も申請が可能です。据置期間が2年ほどあるので、ギリギリの生活資金計画より余裕をもって貸付を受けることおすすめします。