絶対スペアタイヤ車載は必須〜このご時世だからこそパンクしたら酷い目に会います
最近のクルマは、スペアタイヤはおろかいかにもみすぼらしい非常用スペースセーバータイヤさえ車載せず、パンク修理剤のみ携帯させるのが標準仕様になりつつあります。確かにタイヤ性能向上や路面インフラ整備が進んだ結果、パンクは10年に1回経験するかどうかくらいに稀なコトや、保険の付帯サービス(ロードサービス)が充実していますから「スペアタイヤを車載装備は無駄」と合理的な考え方もあります、
ただね、このご時世だからこそ、いざパンクに見舞われると酷い目に会います。
我が家のスペアタイヤではございません...
出来ることなら、履き替えて適正空気圧確認したらそのまま走り切れる”フルサイズ・スペアタイヤ”を車載しましょう。
それが無理でも...オプション設定されているなら”スペースセーバータイヤ”を車載しましょう。
10年に1回経験するかどうかくらいに稀なコトなのに?
JAF、保険ロードサービスがあるから大丈夫?
考え方の問題なので”非常事態”にどれくらい備えるべきか....でしかありません。
そもそもどこからでも電話が通じるとは限らないし、JAFや保険ロードサービスでは車載スペアタイヤの交換作業代行等であってスペアタイヤを調達してくれるわけではないし、走行不能時にレッカー移動を請け負うサービスなので、パンクしたタイヤの修理もしくは交換タイヤを調達するショップなり工場なりディーラーは自分自身で探さねばなりません。近所であれば付き合いのあるショップを選択出来ますが、地方の遠征先ではいきなりピンチです。”Google検索で問題ない”は通用しない、と思っておいた方がいいかもしれません。
- 多種多様になり過ぎたサイズのタイヤのすべてを在庫しているショップはない
155/65R14とか165/55R15等ありふれたメジャーサイズのタイヤを履いていれば問題ないかもしれませんが、18インチ以上のタイヤなんか田舎に行くと在庫してなかったりします、あったとしても”4本セット”売りが前提なので”1本だけ”は拒否されたり、相応に高い値段を提示されたりします。ましてや同じメーカー/仕様タイヤが在庫されてるコトはほぼほぼありません。 - パンク修理剤を使ったタイヤの再利用は基本的に不可
パンク修理剤でピンチを脱出出来ても、再度空気が漏れてしまう可能性が高く長距離は走れません、またパンク修理剤の特性上パンク修理剤を使ったタイヤの再利用は基本的に不可で、新しいタイヤへの交換が必要です。さらに言えばホイールの再利用さえすぐには難しいのが実情です。 - 系列ディーラーに持ち込めば大丈夫?
「働き方改革」によってディーラー工場の作業スケジュールは1ヶ月前からビッチリ埋まっていることが多く、残業時間も規制されているので飛び込み作業に割ける時間はほとんどありませんから「おたくのクルマだろ、なんとかしろよ!」と凄んでみてもこのご時世カスハラ扱いされるだけで、数日単位での待ち時間を覚悟した方がいいです。 - 純正タイヤだったら系列ディーラーに在庫が...
合理化推進のご時世に余分な在庫なんかまず期待できません。 - そもそも電話が通じないことも...
かなり広いエリアをカバーするようになったスマホの電波ですが、山間部に入るとまだまだ電波が届かないトコロは想像以上にたくさんあります。ジブンはキャリア違いのSIMを予め仕込んでもしもに備えておりますが、それでもフルカバー出来るわけではありません。 - ランフラット/シールタイヤを選べば大丈夫?
いざパンク、というときでもタイヤが走行カバーしてくれる「ランフラット/シールタイヤ」という種類のタイヤがあります。ただ実売価格は結構にお高いくせに、実際のところパンクを防止してくれるわけでもなく、ゆっくり短い距離なら走れる程度のシロモノ、再利用OK...なわけでもありません。
これが盆暮正月、GW時期の遠征先でのパンクだったらと想像してください。対応してくれるショップ、ディーラーは休業、開いていても履いてるタイヤの在庫は期待できなくて到着まで1週間掛かります。それまでショップにクルマを停留させるのはほぼ断られますから系列ディーラーか親切な町工場に融通をお願いするしかありません。現実的には”そんなに待てない!”騒ぎになるでしょうから”非常用に”それなりの適合サイズのタイヤを仮付けして移動するしかないでしょう。旨く適合するタイヤサイズがあればラッキーですが、銘柄もピッタリというのはなかなか期待できません。帰宅してから追加交換に相応の費用が発生するかもしれません。4WD車だと基本的に四隅のタイヤの仕様を合わせる必要があります。これがホイールにまでダメージがあったりすると....考えたくないですよね。
保険ロードサービスでのレッカー移動は、100〜150km圏内まで無償対応してくれる保険会社が多いと思います。遠方でトラブルと基本的には近場の対応先を考えますが、状況によっては自宅近傍のディーラーなりに運んでもらうことも考えた方がいい場合もあります。
2022年以降はスペアタイヤ完全廃止の方向...
ラゲッジスペース/カーゴルームをなるべく広く、大きく設定するのに無心するメーカーにとって、スペアタイヤは最大のやっかいもの。特にEV電池を積むハイブリッド車ではレイアウトにも腐心するらしく、2022年以降の各社HV車にはスペースセーバータイヤすら車載されていません。
エクリプスクロスPHEVラゲージ下(元スペアタイヤ・スペース)
効率を求めて合理化が絶対的に善とされる風潮のあるご時世、タイヤは通販で容易に手に入りますがショップにお目当ての製品在庫はまず期待できません。ディーラーは「働き方改革」推進で作業スケジュールが常にパンパンで緊急対応してくれる余裕はありません。パンク修理剤でなんとかしのいでもその先は...。かろうじてJAFや保険ロードサービスがクルマを運んでくれますが、その先は自己責任、融通は効きません。いざパンクすると状況によっては想像を超えた果てしない手間と、時間と、費用が発生します。
このご時世だからこそフルサイズ・スペアタイヤを車載しておくと安心です。
ただフルサイズ・スペアタイヤを車載しようとすると...かなりジャマです。車種によってはリアシートのスライドを妨げることがあったり、危険な?ぎりぎり7人乗りのクルマだとそもそも車載できるカーゴスペースが無かったり、昔のセダンのようにトランクに放り込んでOKというワケにはいかないです。それでもいざというときの安心を担保したい方は(スペアタイヤの車載固定もDIYで)頑張りましょう!
併せて過去の昔話になりつつあるジャッキアップやタイヤ交換の作業も自前で出来る練習くらいはしないとです。