バイク完全引退〜老いると諦める所作が伴わないと明日も見つからない
脳梗塞を患ったのを機会にバイクに乗るのを辞めました。数年前から乗る機会を失っていたので、あらたまって特別なことではありませんがバイク関連のものを処分し完全引退することにしました。老いても風を切って走ることは容易いことではありますが、昔のように荒ぶる気持ちに突き動かされながら旅愁に浸って頭を整理したり明日の活力を得るような旅をすることは難しくなりました。なにより脳梗塞は再発率が高い病です。クルマの運転だとなんとかなることもバイクだと即致命傷!降りない理由は何にもありません。

「平和の国の島崎へ」から抜粋
人生の階段また一歩降りた感はありますが、50年もバイクに乗り続けて不思議と未練も感慨も惜しさもありません。あらためて今の自分を鼓舞する言葉は要らなくて大半は若い頃のノスタルジックの中にあります。40年前の学生時代の夏休みに北海道を走り回った後フェリーに揺られて福島県敦賀港に着いて「さぁ帰るぞっ!」と一般路を福岡の実家まで16時間掛けて800km走り抜けた体力は遥か彼方に消え、もはや「はじめてのロングツーリング」で原付バイクを走らせた300kmさえ億劫なのだから降りない理由はもう要らないです。舗装路でアクセル一捻りover100km/hはまだ容易いです。ただ風のなかをユラユラ漂うだけではもう昔のギラギラな高揚はありません。重いリュック背負ってもなおオフロードを駆けて地平の向こうを覗きに行こうと思えた昔が懐かしいです。
老いると諦める所作が伴わないと明日も見つからないもので、ノスタルジックがただしがみつくだけの対象にならないように明日を見つめたいモンです。


