迂闊な歪みと社会のミスマッチ

(財)日本生産性本部...なんともキナ臭い名称の団体ですが、実体はともかく毎年おもしろい調査データを掲載してくれるトコロではあります。「 2009 年度 新入社員意識調査」も興味深い内容でした。

このデータは「今の会社に一生勤めよう!」と答える人間と「転職しないにこしたことはない」と答える人間の二極化が進んでいるのか、二枚舌の優柔不断な輩が増えているのか解らないのですが、なにしろ会社や仕事がまだ解ってない新入社員のことですから、「この不況下で放り出されたくない」けど「嫌なことがあったら他を探そう」というところなんでしょう。

「みんなで力を合わせて」が嫌いな自分としては、まったく不甲斐ない結果となっています。 「分かち合う」のは成果を出して味わうよすがにとっておけばいいもんです。「個人の努力=野心」のない人間が傷を舐め合う同士を募るのはいかがなものか、と勘ぐったりします。 そしてこれらが「友愛」に基づくものではないらしいのが次の結果から読み取れます。

そして成人するまで薄ら甘い道を歩んで来たんだろなぁ、と思わせるのが次の結果です。

もうほとんどお笑いの世界です。「夢が、夢が....」ばかりで気骨のカケラもないのが、いまの新入社員気質と言えます。 (もっとおもしろいアンケート項目もあるので、是非全文を参照されることをお勧めします)

以上、おもしろおかしく批評させていただきましたが、新入社員も世の中の動静に敏感に、現実的に対応するだけの知識がある、というだけかもしれません。 恐らく昭和の時代に同じアンケートを採っても、半数を超えたり、割ったりするような極端な数字にはならないような気がします。ただ入社2年目になると「転職してもいい」が、8割に達するとも言われる現実に、いろいろ深刻な意味が見えます。