震度6強! 北海道地震で全電源喪失、全道295万世帯で停電

北海道胆振地方中東部で6日午前3時9分ごろ、最大震度6強を観測する地震があった。地震の規模を示すマグニチュード(M)は6・7。震度6強を観測したのは北海道安平町で、新千歳空港では震度6弱、札幌市でも最大震度5強を観測した。(Christian Today記事より抜粋

 

北海道地震で全電源喪失、全道295万世帯で停電

地震の影響で苫東厚真火力発電所の3基(胆振管内厚真町、出力165万キロワット)が緊急停止して周波数の乱れが起き、稼働していたほかの火発3基(奈井江1基、知内1基、伊達1基:計87万キロワット)もすべて止まったため、北海道全域295万世帯で停電となった。

電気の供給を続けるためには各世帯の電気の使用量と発電量を同じにして周波数を一定に保つ必要があり、道内では通常、50キロヘルツに保っている。しかし、地震の影響で苫東厚真3基が停止し、周波数が大幅に低下して稼働中の3基も運転が止まり、全道での停電につながった。

復旧時期は未定。運転停止中の泊原発(後志管内泊村)全3基は外部電源を喪失したものの、異常がないことを確認している。

道内と本州を結ぶ海底ケーブル「北本連系線」も電源がないと稼働できないため、本州側からの電力の受け入れもできなくなっている。
北海道新聞記事より引用


北海道の発電設備(→Electrical Japan

北海道の発電設備(計1,102万キロワット)のうち、最大発電量を持つ泊原子力発電所(207万キロワット)は停止中で、今回の地震震源地に近く緊急停止した苫東厚真火力発電所(3基計:165万キロワット)は北海道で2番目に大きな発電所です。

当日稼働中電源(252万キロワット)のうち過半(65%相当)の電源が緊急停止してしまい、余剰供給能力が無い場合は自動的に全電源停止に繋がるというのを今回初めて知りました。今回のような状況は”想定外”だったのかもしれませんが、泊原子力発電所が停止中でありもしかしたら”想定はあった”が実際にはリスク分散出来ない状況で電力供給していたのかもしれません。

道内と本州を結ぶ海底ケーブル「北本連系線」も電源がないと稼働できないため、本州側からの電力の受け入れもできなくなっている。

ここに何故非常用電源設備が無い? 後付のように考えるワケですが、それは火力発電所に非常用電源設備が無いのと同じくらいナンセンスなことなのかもしれません。

一概に「本州ではバックアップ電力が地方から供給されるから大丈夫」とは言えない気がするのは、ライフラインと言いながらも効率優先で計算高い方向に流されて運用されているに違いない、という思いが拭えないから。

ほとんどの場合「想定はあるがリスクが低い対策には費用対効果が追いつかないし経済的ではない=リスク管理」というのがホントである。