中国発「リンゴの皮」騒動にみるイノベーション&モチベーションを育てる環境〜むしろ埋め尽くしたモノを剥ぎ取る覚悟がいるかも

中国の経済特区深圳市在住の2人の兄弟が独学で作り出したiPod touchをiPhoneに変身させる「リンゴの皮」なるものが中国で発売されて話題になったのは昨年のコトですが「さすがに中国らしい使い物にならないおもちゃ」と思っていたところ、中国の携帯電話機メーカーZTE(中興通迅)がアイデアをブラッシュアップした製品(iPod touchに3Gデータ通信を付加するアダプタ)をアメリカで販売するに至っては、すごいなぁと関心するばかりでした。

通称「リンゴの皮」iPhone化する iPod touch用アダプタ

先日Tech-On「リンゴの皮からなにが見えるか」記事で、この騒動の詳細が掲載されました。なかでも文中

「リンゴの皮」といったような発想は,日本メーカーではどうなるだろうか。製品化されるだろうか。恐らくアイデア段階で消えてしまうのではないだろうか。 なぜなら、まず“グレイゾーン”に対する姿勢が違う。日本の場合、厳しい規制と過剰なルールに縛られ、「リンゴの皮」のような発想は商品化までいきつかな いのではないか。

 

というくだりはまさにさもありなんです。ゆとり教育と盲目的な博愛主義を取り込んだ日本人にはなかなか難しいのではないか?と思ったりします。しかし製品のリバースエンジニアリングと独自の改良を施す一枚上手の製品づくりで本家本元に一泡吹かせる、というのは戦後日本人の得意分野だったはずです。欧米化した日本人には「ストックオプション制度などのインセンティブ」がモチベーションとして必要なのかもしれませんが、それ以前に世間がいろんな意味で「がむしゃら」を許容しない日本になっちゃった気がします。日本人は歴史を「積み上げてきたモノ」と肯定的に言う癖がありますが、この十数年は見えないトコロを「埋め尽くして」身動きとれない状況な気がします。

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