迂闊な歪みと社会のミスマッチ〜10年後の新入社員

10年前の2009年に「迂闊な歪みと社会のミスマッチ」で、日本生産性本部が毎年実施していた「新入社員意識調査」の調査結果について面白おかしい論評を記事にしました。あれから10年以上経過して日本生産性本部は何故か「新入社員意識調査」を終了してしまいましたが(新型コロナの影響で中止しているだけかも)最終報告の2018年「新入社員意識調査」を覗くと明らかに10年前の新入社員とは意識が変化しているのが見て取れます。

そもそも設問回答の真偽を疑う数値に思えるのはジブンだけでしょうか... なんだかこんなアンケートにさえ「会社に忖度する」傾向が高いのかな...と裏読みしてしまう。

 

ちょうど10年前から反転した傾向で、果たして新入社員の頃から確固たる「キャリアプラン」なるものを持ち合わせているのが現代の新入社員なのか、それとも世間知らずな夢想の住人なのか... 確かに10年前に比べても広いジャンルで様々な職業が生まれている今日ですから、情報を駆使すれば可能性と具体性を思い描きやすい環境になっている現代、逆に古い体質脱皮に苦しむ企業を毎日のように見ますから「第一志望」の会社だろうと、将来へのステップに過ぎないと割り切る若者が生まれていても不思議ではないです。

 

「趣味などに時間が使える職場」と考えたのはまさに80年代バブル時代入社時のジブンみたいな輩で、冬休みはスキー旅行、夏休みはバイクツーリングで有給休暇を連結させて最低10日以上のロングバケーションを謳歌しておりました...が、たぶん現代におけるこの選択は、前の設問回答と併せて考えると副業やキャリアアップを模索する時間確保に当てられている?とも読めたりします。
ちなみにジブンは入社から数年後「有給休暇残:40日」を毎年更新する働き蜂で10年過ごすことになったのですが...仕事がおもしろかったのでね。

 

設問自体が何をか言わんですが、いつの時代にも一定数のヒトがいるということ。統計的に人間のDNAにはそんな発現因子があるということですね...

リーマンショックを境にしたそれまでとそれ以後、という分け方も考えられる「新入社員意識調査」ですが、リーマンショック前までは「失われた20年」と散々不況を喧伝されっていた時代ですから、なんとか就職した会社にしがみつこうという意識も高かったんだろうと思います。リーマンショック以後は企業のさらなる合理化、生産性アップ、見えない将来性なんかも露呈する時代となり、いよいよ生涯詰め切るなんてのは鼻から見込めないと踏む新入社員が増えた...そんな感じです。